こういうメジャーポップ系を聴くのは、僕の場合ついつい後回しになりがちです。気が付いたら乗り遅れている、と(w。試聴機に入っているのを聴いて買いました。
彼等の音楽の面白いところは、最近のテクノのエッセンスを上手く料理していることに加えて、独特の陰影を加えることに成功したところだと思います。アメリカやヨーロッパの音楽から失われて久しい何かがあります。なんていうんでしょうね。。。
スミスのカバーがぴったりハマるということが象徴的な気がするのですが、無防備というか。激しいテクノで苛ついている感じにも拘らず、攻撃的ではない。
最近の欧米の音楽は何かガードが固いというか、しっかりしてるものばかりになってる気がして。そんな中でロシアから来たt.A.T.u.の音楽はまるでノーガード戦法というか。ヒリヒリした感じ。そういうところは、欧米のテクノトランス系のポップには無かったものだと思います。
痛みを共有するための音楽、というか。昔の中島みゆきやCoccoのような。そういうの最近は少ないですね。
ノイズだと思ってましたが、なかなかどうして音楽的です。ちゃんとリズムがあるじゃんというか。
どういう先入観があったか、つうことですが。
最近は、ブライアン・イーノとか、このアインシュテュルツェンデ・ノイバウテンとかを聴くことが増えました。
テクノやアブストラクトなど、現在のポップミュージックの源流に位置する音楽だと思います。
まぁまぁ音質もいいです。
(2003.11.18.)
2003年夏に、新しいアルバムのShalom! Salaam!が発売になってました。
うかつでした。今までずっと追いかけていたバンドだったんですが、遅れを取ってしまった。
最近、ちょっともう息切れしてるのかな、と思って、冷めかかっていたところに、新譜が出ていたわけです。
この新譜ですが正直、こんなに開放的な音をソウルフラワーユニオンは鳴らせるようになったのか、と思いました。
ジャケットの空のように透明なくせに、軽くない。重いくせに重さを感じさせないグルーブ。くったくがない鳴り方のせいでそう感じるんだと思います。楽天的じゃないけど肩の力は抜けている。
ソウルフラワーは自由についてずっと唄ってきたと思うのだけど、以前の音はどこかくったくがあって聴く者を選ぶところがあったと思います。この作品で、とうとう音が自由になった気がする。軛から放たれて自由に唄ってるように聴こえる。花のように、さり気なく押しつけがましくないのに、存在感がある。
これは誰が聴いても気持いいんじゃないかな。褒め過ぎかな。
もう先はないバンドなのかなと思った頃もあったけど、そんな気持ちはこの作品が払拭してくれました。
このモードでしばらく続けて創っていって欲しいと思います。
音質も結構いいんじゃないかな。
(2003.11.18.)
何のつながりもないかのような上記2つのユニットとバンド。
実は、アンセブの桃井はることピーズのはるは、僕と誕生日が同じなのでした。あ、どっちもはるだな。
なんじゃそりゃ。
かたやオタクご用達のキワモノ打ち込みポップ、かたや数少ないロックンロールの純血といえるバンド。
しかし、なんかどっちも、音楽以外のことはあんまり考えてないようなふしがある。
活動のとっちらかりっぷりと一貫性の持ちようが似ている。
実は、共通点は音楽至上主義っぽいところ。と個人的に思っています。
アンダー17は主にゲームソングやアニメソングを作っているユニットです。
桃井はるこの人気とともに、その音楽も注目されてきたのですが、なんというんでしょう。入り込み方が違うのです。
妙な色気がない分、作品世界で完結している。もとのゲームやアニメを知らなくても何か伝わるものがある。
純粋なポップソングというか、混じりっ気がない感じがします。意外にも。
デビュー当時のシンディローパーに近い感じ。色物扱いだけどやってることはピュアというか。
The ピーズはバンドブームにデビューして、一時期「もうやれない」だか言って活動休止していました。
正直、もう戻ってこないかもと思っていました。ぼろぼろっぽかったしね。
今年の始めに活動再開して、アルバムを出しましたが、これがカッコイイ!!
蘊蓄はいいから、とにかく一度聴けという感じ。これがわからなければ、ロックンロールには縁がないってこと。多分。
おかげさまで、活動再開を機に過去の音源で持ってなかったやつをゲットしてしまいました。
あ、共通点がもうひとつあった。
けっこうシモネタっつうか、えっちぃニュアンスの歌がどっちも多いなぁ(w。
(2003.12.09.)
メリークリスマス! Mr.ローレンス。
期待しちゃいなかったんですよ。2ちゃんねるでちょっと話題になってて、声優もやってて音がいいと。
ふーん、ってなもんで、音いいのかっていうんで少年アリス、買いました。
聴いて、もってかれてしまった。音が、「ロック」なんです。
こういうのに弱いんですね、ポップのフォーマットのくせに妙にフックが過剰にロックなの。
例えば、My Little Loverとかみたいな。
Charaもそうかな。
(そういや、Charaの新作アルバムはセルフカバー集らしい。レーベルゲート2になるんでしょうかね、、。)
ロックのフックって何かって?
まぁ、漠然としてますが、押し引きの感覚というか、なんかがツボにはまるんですね。
何かが過剰で溢れるような感じ。それを押止めたエモーションを音に乗せてうねる感じ。
綱渡りに似た感覚。アッパーとダウナーの混在。
ケイトブッシュとt.A.T.u.を掛け合わせたようなこの音色は、今の音だと思います。
癒さない癒し系です。無防備で攻撃的なんだよね。
これがコピーコントロール推進のビクターからリリースされたCDDAってのが皮肉だなー。
(2003.12.25.)
復活しますよ!ヒートウェイヴが!
沈黙後5年、ついに再始動です。
2月6日にはアルバムが出ます。タイトルは、LONG WAY FOR NOTHING。
G/Voの山口洋は、最近では「満月の夕」をSoul Flower Unionといっしょに作った人として、むしろ有名かも。
いや、有名じゃないな。。。
しかし、気骨あるロックンロールを鳴らしてくれていた人です。
彼のギターは天と地につながる感触を持っていて、なんつうか独特の境地に達しています。
渋いというのではない、でも青いというのでもない、等身大の男の音が鳴っている。
ドロドロしたものを引きずりながらも、転がり続けるから腐らない。
5年前のアルバム「日々なる直感」は、名盤です(けっこう音質もいい)。
なんで売れなかったかなぁ。あまりにも等身大過ぎたのかな。なんか身につまされるようなとこがあったりするし、地味だからな。
でもそういうとこも含めて好きだった。クールで熱い音楽です。
公式サイト・ROCK'N ROLL ASS HOLE
(2004.01.13.)
GO!GO!7188のベーシストです。
ソロアルバムの「キラリ」をゲットしたのですが、7188の刹那的な破壊美を期待したら裏切られます。かなりまっとうな方向にソングライターしてます。
でもこれがけっこういい感じ。こんな才能秘めていたんだなぁ。王道的なロックバラードがとてもきれい。
(2004.2.11.)
佐野元春はソニーから離脱し自主レーベルを設立しました。
そこからリリースされたアルバムが「THE SUN」。
なんというか、すごく強い音だなぁ、と思いました。
HEATWAVEにも通じるのですが、しなやかな竹のように弾力があって折れない、しかしまっすぐ伸びているって感じ。貫禄というと重たすぎるけど、経験を重ねたアーティストにしか出せない重みがある。かつ、フットワークは軽い感じ。
今の時代に大事なものを流されないように、という気持が滲み出る感じ。
いいです。つか、みんな買え。とかいってみる。
余談。
帯っつうか、あれの裏にサインが印刷されてるのにびっくり(w。
パッケージとしての創りがとてもしっかりしています。手元に置きたい感じ。
(2004.7.25.)
久しぶりの更新になるけど。
Storyvilleというアルバム。
このCDを聴くきっかけは、ヒートウェイヴのサイトで山口洋がリファレンスにしてるという話を読んだから。
「それを超えるものを以来、聴いたことがない。」とまで言う音はどんなものなのか、興味がわくじゃないか。
その音は、、、まず感じたのが、ヒートウェイヴと同じ匂いがするってこと。
つまり、本物のロックってことだ。
そして確かに音がいい。
amazonのレビューとか、ボーカルが良くないのが惜しいとか、一本調子で弱々しいなんて書いているが、どうなんだ、それって。
この作品は、この声、この歌があってこそ成り立っている。
そして弱々しいなどという意見は、はっきりいって全く同意できない。
例えば、ボブディランの声は掠れてて弱々しいなんて意見、通用するかい?.
ロックンロールというのはそんなもんじゃない。
ここにあるのは本物の声だ。
込められた陰影、感情が聴き取れないというなら、音楽に求めているものが多分根本的に違うのだろうと思う。
(2006.05.30.)
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