先日、電源タップでどうのとか言った先から違うことをしています。
レゾナンスチップ、効果はあるとあちこちで言われていますが、実は使用するのは今回が初めてです。
何となく購入し所有してはいたんですが、しまい込んだままでした。
今回、引っ張りだして使ってみました。
TAOCのスピーカースタンドの天板から釣り下がっている「タテ振動子」に貼りました。写真に写ってるのは1個だけですが、実は向こう側にももう1個貼っています。振動子の真ん中と下から1/3の位置の2カ所です。
タテ振動子は不要な振動を制御するために付いていると言われていたように思います。スピーカーからの振動をスタンドによって軽減し、床に伝えないようにするために付いているのであれば、振動子はその名の通り、振動していると思われます。
4425mk2は30cmウーファーを積んだスピーカーです。
それを僕はスピーカースタンドにインシュレーターなど介さず直置きにしています。スピーカーからスタンドにはかなりの振動エネルギーが伝えられている筈です。
振動子の動作にも、当然影響がある筈。
レゾナンスチップはいかにも効きそうな感じです。
結果からいうと、大きな効果がありました。
ノイズが整理され、見通しが良くなった感触です。SNが改善されました。
実際、レゾナンスチップってそういう効果があるらしい。
さて、、。
引っ越す以前の状況、コンクリート床での状況を思い返してみます。
実は当時、スピーカースタンドの振動は、ほとんど気にしたことがありませんでした。
何で気にしてなかったのかというと、スピーカースタンドは振動していなかったから。
前述の「タテ振動子」に触ってみても、全く振動を感じなかった。僕は「振動子の振動は感じ取れないのが普通なんだ」と思っていた。
振動板 |
エンクロージャー |
スピーカースタンド(MST-40H) |
スタンド付属スパイク |
MDF板(厚さ5mm) |
コンクリート床 |
ところが、現在の状況では、スタンドが振動している。
タテ振動子も触るとはっきり振動しているのが分かる。
手で触れて振動しているのがはっきり分かるぐらいだから、レゾナンスチップも効果があったんだろうと思うのだけど、、。
振動板 |
エンクロージャー |
スピーカースタンド(MST-40H) |
J1黒コーン(SP35S) |
御影石ボード |
MDF板(厚さ5mm) |
フローリング床 |
同じスピーカースタンドが、どうして振動したりしなかったりするのか。
床の状況が変わっただけなのに。御影石のせいでスタンドが振動するんだろうか。
、、、わかんない。説明を思いつかない。
まさか、スタンド付属スパイクの下に使っていたMDFに秘密が???
少なくとも、スピーカースタンドが振動するような状況は良くないんじゃないのか、ということだけは分かる。どうすればいいのかは、、、分からないけど。
さて。何でレゾナンスチップは効果があったんでしょう。
振動はエネルギーです。
不要な振動が消えたということは、エネルギーが変換された筈です。
多分、レゾナンスチップは振動を熱に変換している。
レゾナンスチップのように貼付けて振動を制御するアクセサリーは他にも何種類かあったように思います。
しかし思うに、レゾナンスチップで全ての振動を制御出来ているわけではない。
今回改善したのは、中高域から高域のノイズじゃないかという気がします。中低域は何だかまだ荒れている印象です。
ピアノとか聴いていると、高域はきれいなのに中低域になると何か不自然になる。
以下、かなりの部分が受け売り。
スピーカーは、基本的にはユニットの振動板以外は振動しないのが理想だと言われています。
理想的なあり方として、地球を物理的なアースにするという考えがある。
理想的には、地下から突き出ている岩盤を削り、それにスピーカーユニットを組み込む。
ユニットの振動板以外は全く振動しない。
さすがに、そこまでは出来ない。
では、どうやってそこに近づけるか。
1つの方法は、大地と一体化した強靭な床で、振動をアースしてしまう方法。
以前住んでいたマンションの状況が100歩譲ってそれに近い。
コンクリートの板に近い床でしたから、オーディオ的に非常に扱いやすかったと思います。
振動しにくい上に、ノイズをスムーズに影響しないところに逃がす硬性もあった。
だからスピーカースタンドは振動しなかったし、振動板も安定するから20Hzの低音を吐き出すことが出来たんじゃないだろうか。
実際、窓を開けて鳴らしていて横の人の苦情を受けたことはあるが、床下からの苦情は全くなかったし、僕自身、上からの振動に気付いたことはなかった。
振動対策はほとんど完璧なマンションでした。ピアノを弾けるという条件で当時探したんだっけ。
今は、その方法は使えません。
今の床はペナペナのフローリングで、太鼓の皮の上にスピーカーを載せているようなものです。
床にエネルギーを逃すと盛大に振動します。エネルギーを逃がすどころか、溜め込んでいるに違いありません。
スピーカーも不安定になって、30Hzさえまともに再生しない。御影石ボードを導入した現在も、対策は充分とは言えません。
というか、どう対策すればいいのか、って感じ。
そこで2つ目の方法。
それは、アースしないという考え方。と言っていいのか?
だって、アースして邪魔な振動を逃がすことが出来ないんですから。アースしないしかない。
えーと、機械インピーダンスという考え方があって。
インピーダンスって要するに「波に対する反応のしやすさ」です。
電気信号の伝達に際して、ロー出しハイ受けとかいいますけど、これって反応しやすい方向に向かって信号を送ることで歪みやロスを少なくしようということだと、僕は理解しています。
電気的なアースはインピーダンスが0Ωということで、つまり反応しにくい、変動しにくいわけで、だからアースとして使える。アースが不安定だと音質が劣化する。
電気的なインピーダンスってそういうことだろう、と。
スピーカーの制御にもインピーダンスという考えを導入してみる。
アースとなるべきエンクロージャーから大地までのインピーダンスが0で振動に対して反応せず、振動板だけインピーダンスがあって安定して動作出来るのが理想。
これが岩盤を削るケース。
しかし現実にはインピーダンス0のアースはあり得ない。
コンクリート床のマンションも、インピーダンス0にはほど遠い。
だいたい、床が良くてもスピーカースタンド、エンクロージャーが鳴るのだから。
鳴らないように設計すればいい?
もちろんそうなんだけど、そしてそういう設計思想のスピーカーもあるけど。でも0にはならない。
さて、ペナペナのフローリングの床は、インピーダンスが高く、振動に敏感に反応する。
反応して、振動が熱に置換されるならオーディオ的には問題ないんだけど、振動するから始末に困る。
床は、変えられない。じゃあ、どうするか。
機械インピーダンスが高いところで、振動による反応が起きる。
フローリングの床じゃないところで、反応を起こして上手く処理してしまえばいい。
そのためには、機械インピーダンスが高い場所をどこかに作る。
そのひとつの解が、レゾナンスチップってことでしょうね。多分、レゾナンスチップの機械インピーダンスは高い。
考えてみたら振動に反応しやすい構造になっているような。
気になるのは、振動が熱に変換される効率は何%なのかってこと。半分は可聴領域外の高周波として空中に、とかだったりするんだろうか。
しかし、レゾナンスチップだけでは足りない。
受け売りだけど、スパイクというのも、機械的インピーダンスを高める役割があるのだと。
質量と材質と形によって、機械的インピーダンスは決まるそうだ。
重いものほど振動しにくい。
硬度が高いと反応しやすい。
薄く広い方が伝達しやすい。
スパイクの素材自体は、インピーダンスが低い材質で作られていることが多い。
しかしスパイクの先端は、接触面積が非常に小さいがために、機械的インピーダンスが非常に高くなっているらしい。
つまり、先端部で振動による反応が起きて、エネルギーが消費される。
おそらく、熱という形で、、、って、ホントか?
うちではJ1プロジェクトのSP35Sを使っています。
複合素材による円錐で、御影石との接触部分は丸いものの、一応、スパイクによる3点支持と言っていいかと。
実際、これを使ったところ、かなり音質の改善があった。
SP35Sを使う前は、付属スパイクの下にアクリル片を介してセッティングしていた。
これは、けっこうひどい音だった。
何が違うのか。
まず、振動の伝達経路が違う。付属スパイクはスピーカースタンドの底板にネジで取り付けられています。スタンドとスパイクの接触面はネジの螺旋ということ。
スパイクの先の接触面積も違う。スパイクはアクリル板にわずかにめり込み、接触する面積は1平方ミリほどの面積になっていた。接点での機械的インピーダンスは充分には高まらず、アクリル片に伝達された振動エネルギーは、そこで何かをしていた筈。
はっきりしませんが、取りあえず再生音は変だった。
受け売りですが、スパイクは、基本的に硬性が高い材質で受け止める必要があるということです。
硬性が高い材質で点接点で受け止めることで、接点で振動エネルギーが熱に変換される。
アクリル板でスパイクを受けたとき、接点で振動を熱に変換出来ずに、アクリル板に伝える結果になったのだと思います。
中高域はだいぶ何とかなるようになったわけですが、、、低域が大問題。
そもそも、インピーダンスって周波数によって違うもんなんですね。
中高域の振動については、SP35Sやレゾナンスチップが良く反応した。そういう周波数でのインピーダンスが高いんでしょう。
でも、中低音のインピーダンスは、高いとは言えない。すいすい御影石や床に通してしまう。
御影石がもっと重かったら、、。
振動しにくい重量物によって低音に対するアースにするというのは、正攻法ではあると思うのですが、、。
正直言って、うちの状況で重量物持ち込んだら床が抜けそうなんだよね。言い過ぎか。
それにコンクリートの床に匹敵する効果は、疑似アースだけでは見込めない気がする。
コンクリートの床は、実は低音をよく伝えていたんですね。僕は音楽を聴きながら、それを足下で感じていました。
フローリングの床もよく低音を伝えますが、違うんだよね、伝わったあとどうなるのかが。
だから床に低音の振動を伝えるわけにはいきません。
振動を伝えないというと、、、フローティング、、、?
磁気で浮かすインシュレーターがありますが、1個で支えることが出来るのは数kg。
数10kgのスピーカーを支えるには数10万円かかります。
スピーカーより高くなる。
ちょっと、思いついたことがあります。
また後日、機会があればアップします。