コピーコントロールCDとは? 音楽CDの規格について 次世代フォーマット
CDS-200(旧世代CCCD)について
CDS-200の特徴
フェイクTOC
エラーの混入
プレーヤーについて
レーベルゲート
Key2Audio、その他の旧世代CCCD
CCCDを聴くにあたっての注意事項
CDプレーヤーで聴く
MD録音
パソコンで聴く
CCCDの問題一覧
規格外ゆえの問題点
聴けないことがある
将来への不安
音質の劣化
ドライブへの負担・故障の危険
コピー防止機能の脆弱性の問題(著作権の保護は有名無実)
「違法コピー」って何だろう
再生保証、コンポの故障などへの補償
CCCDメーカーサイドの対応
オーディオメーカーの対応
そんな問題があるとは知らなかったのだけど、、、
制作現場への情報操作
アーティストや制作現場の声
マスコミ/出版業界の対応
日本レコード協会の姿勢
インターネットでの情報操作
バックアップ〜安心して聴きたいよ〜
パソコンでのリッピング
従来のコピーによるバックアップ
新世代のコピーコントロールディスク
XCP
MediaMax
CDS-300(セキュアCD)
店頭で、、、
国内盤
輸入盤
逆輸入盤について
デュアルディスク
CCCD企業リスト
エイベックス
SME
テイチク
東芝EMI
ビクター
フォーライフ
ポニーキャニオン
ユニバーサル
ワーナー
説明がないメーカー
CCCDを売っていない企業リスト
CCCDに関して説明をしているページへのリンクです。リンク切れはご容赦ください。
ソニーBMG 音楽CD スパイウェア混入事件:リンク集
ここでネット上の情報が網羅されています。(12.04.リンク切れ修正)
行きすぎた著作権保護:“スパイ的コピープロテクト”の波紋(ITmedia)
こちらはITmediaの関連記事リンク集。
日本で初めて販売されたコピーコントロールディスクは、02年3月13日にエイベックスからリリースされたBoAのシングル(Every Heart -ミンナノキモチ-)だとされています。エイベックスがコピーコントロールCDを発売,国内初(ITmedia)
コピーコントロールCDというのは、実はエイベックスが日本で売るにあたって付けた名前です。あだ名みたいなもんです。
では、何にそんな名前を付けたのか?
CCCDは、パソコンによる音楽デジタルデータの取り込みを防止する技術を、従来の音楽CDに組み込んだディスクの総称です。
2002年から2004年にかけて、日本では多くのCCCDが販売されました。
これらの多くは、イスラエルのMidbarTech社(現在、アメリカのマクロビジョンが吸収)が開発した方法「CDS(Cactus Data Shield )-200」を利用したディスクで、バージョンはCDS-200.0.4が主でした。SMEが販売したレーベルゲートCDもCDS-200を使っています。他には「Key2Audio」という方式のCCCDがありました。
これら旧世代CCCDのリリースは少なくなっています。しかし市場では、店頭在庫や中古品などが今でも流通しています。
新世代のCCCDは、パソコンのプログラムを直接書き換えることで、パソコンによるコピーを防止します。
2005年08月末から東芝EMIが販売している「セキュアCD」は、CDSの新バージョンとなる「CDS-300」という方式を使用しています。EMIは、セキュアCDにはCCCDの表示をしていません。
2005年秋、SONY BMGが米国で販売した「XCP」、「MediaMax」という方式のコピーコントロールディスクは、パソコンで使用するとセキュリティホールを生じたり、誤動作を引き起こすため、大問題になっています。
正規の音楽CDは、CDDAという規格に沿って作られています。この規格には「Compact Disc Digital Audio」というマークがあります。CDショップの3000円のやつもダイソーの100円のもこれは同じ。CDDAは、音楽CDとして「レッドブック」に決められている規格なわけです。今から20年ちょっと前にこの規格が作られ、世界的にこれからはレコードやめてこれでいきましょう、ということにしたのでした。そして81年3月に音楽CD第一号の「A LONG VACATION」が発売されたわけです。これが所謂「CD」です。
CDDA |
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PCで読めるファイルを追加したCD-EXTRAというのもあります。CD-EXTRAの規格は「ブルーブック」に記載されています。CDにCD-DAとパソコン専用のデータを共存させるためのもので、これには「Compact Disc Digital Audio+」というマークが入っています。
エンハンスドCDという仕様もあります。
CD-EXTRA | Enhanced CD |
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正確には、マルチセッション形式のCDの中に、Enhanced CD、CD-EXTRAがある、ということです。
マルチセッション形式のCDとは、1枚のCDにCDDAとCD-ROMを共存させたディスクのことです。つまり、CDプレーヤーで聴くファイルとパソコンで使用するファイルが、1枚に収録されている、ということです。
初期のマルチセッション形式のCDには、オーディオCDプレイヤーにかけると誤ってCD-ROMトラックを再生する製品がありました。これではコンポが壊れる危険があります。
そこで、安全に再生できる「規格」として作られたのがCD-EXTRAということです。
一方、Enhanced CDはレッドブックには沿っていて安全に再生できるようになっていますが、CD-EXTRAについて定めたブルーブック規格からは外れています。
Enhanced CD、CD-EXTRAについていくつかリンクします。
CD Extra解析情報(伊藤隆幸のホームページ)
アップルがCD Extra対応の機能拡張ファイルを無償で配布(PC Watch)
The License Program for Non-standard Multi-session CD Audio Discs(PHILIPS)pdfダウンロード
CDプレス仕様: フォーマット(ONE&ONLY)より、以下引用
Enhanced CD(エンハンストCD)
1枚のディスクにCD-DAとCD-ROMを同居させるために作られたのがEnhanced CDです。第1セッションに音声トラック、第2セッションにデータトラックを記録するマルチセッション形式のCDで、音声用プレーヤーでは普通の音楽CDとして再生でき、対応したパソコン等では音楽CDとCD-ROMの両方を認識します。
CD Extra(CDエクストラ)
基本的には、Enhanced CDと同じマルチセッション形式のCDです。ただし、データトラックのフォーマットやディレクトリ構造、ディレクトリ名、ファイル名、必須ファイルなどに細かい決まりがあります。誤解されていることが多いのですが、マルチセッション形式なだけではCD Extraとは呼べません。
つまり、CDDAとCD-EXTRAが、音楽CDの正式な規格、というわけです。
Enhanced CDも正規の規格に準じたものと言えるでしょう。
CD-ROMの規格は「イエローブック」に記載されています。ちなみに書き込み可能なCD−Rは「オレンジブック」。
パソコンのCD-ROMドライブは、CD-ROMを読むように作っています。で、ついでにCDDAやCD-EXTRAも読めるようになっています。
CDDAとCD-ROMは別の規格です。ですからTOCの構造が違います。
TOCはデジタルデータの住所録/身元証明みたいなもんです。これを参照して必要なデジタルデータを読み出すようになっています。
規格ってなにかというと、要するに工業製品を作る上での約束ごとです。
例えば電気スタンド。コンセントの形がいちいちメーカーによって違ったら困ります。統一した約束ごと「規格」があれば、それに合わせて作っていれば日本中どこでも使えるわけです。CDDAは音楽CDの世界的な規格で、レッドブックに約束ごとがまとめられています。この規格さえ守っていれば、CDプレーヤーと名の付くものがあればいつでもどこでも聴けるわけです。
次世代の音楽ディスクは工業規格内で「正規のプロテクト」が可能です。
問題は再生できるコンポの普及率です。あと、音楽業界が本気で取り組む気があるか、でしょうか。
音楽CDの次世代規格です。現実的なコピー防止機能がほとんど全くないCCCDよりも、よっぽど著作権の保護に適しています。
ソフト、ハードともに移行が望ましいのですが、遅々として進んでいません。
最近パイオニアが提唱したもので、映画用のDVDを音楽ディスクとして使用するものです。PCコピーは困難で、かつ映画用DVDの規格に準じたものですから、映画用DVDを再生できるプレーヤーなら問題なく再生できます。
最近の映画用DVDの普及は目覚ましく、普及が進まないSACDやDVD-Audioよりも、多くのユーザーに受け入れやすいのではないかと考えられます。
これもプロテクトがなされているディスクです。コロムビアが採用しています。
RIAJ、DVDプレーヤー対応音楽パッケージ「DVD music」を制定(AV Watch)
音楽業界に喝を入れる「DVDミュージック」の正体(ITmedia)
音声ファイルによる配信は、iTMS、着うたなどが、既に一般に定着しています。
次世代ディスクの普及が進まない中、徐々に、高音質の音声ファイル自体をインターネットを使って配信する試みが始まっています。
次世代のフォーマットになる可能性があります。
しかし方式、仕様がばらばらで統一されていないため、配信方式によって再生環境が限定される問題があります。
CDS-200方式を採用したCCCDは、主に2002年から2004年にかけて、日本で広く大量に販売されました。
今となっては、旧世代CCCDと呼んでいいのではないかと思います。
一体、何が問題になったのでしょうか。
CD-ROMドライブでの読み取りにTOCは必要なものですが、CDS-200には「偽物のTOC」が書き込まれています。これのせいで、CD-ROMドライブはデータの読み取りに混乱が生じます。そのせいでデータが読み出せなくなる。時間表示に誤差が生じたり、トラックを認識しなかったり、読み込みに時間がかかったり。もっと酷いことになることもあります。
なお、フェイクTOCは音楽データとは関係ないものです。
津田大介氏の著作「だれが『音楽』を殺すのか?」によると、フェイクTOCだけではなく「イリーガルTOC」という操作も行われているということです。
これは1曲目の始まりを「−1」に設定し、TOCの情報と実際のデータにずれを生じさせるものです。
「だれが『音楽』を殺すのか?」は04年09月現在の音楽を取り巻く状況について分かりやすく網羅しており、お勧めの書籍です。
音楽データのエリア(オーディオトラック)は、C1、C2エラーといわれる読み取りエラーが大量に生じるように作られています。
CDDAのデジタルデータはまっすぐに収録されていませんし、表面にキズも出来ます。本来はそうしたことからC1、C2エラーが生じるのです。CDプレーヤーではエラーはデジタルで補正されそれっきりで音として再生されるのですが、CD-ROMドライブの場合、補正ではなく正確なデータを読み取ろうと繰り返し読み込みを試みます。キズだらけのCD-ROMが読みにくくなるのと同じ理屈。これでデータが読み出しにくくなります。
収録されている音楽データそのものは正常なのですが、細工をしてエラーが生じるようになっているらしい。
これらの特徴はレッドブックに沿わない作りですから、CDS-200方式を使ったディスクは実は音楽ディスクとしては「規格外ディスク」。
もっというと、CDS-200の手法では「規格外にしないとコピーコントロールにならない」ということです。本当は、もっとまっとうなやりかたがあるらしい。
他の規格にも沿わないつくりですから、CD-EXTRAともCD-ROMともいえません。なんだかよくわかんないディスクなわけです。
そのせいで、いろんな問題が生じることになります。
パソコン雑誌の中には、連続再生すると確実にドライブが壊れると言い切るところもあります。
C2エラーを無くして、しかもフェイクTOCも弱めたCCCDも出回っています。CDS-200はこうした調節が出来るようです。
フランスでユーザーがEMIに勝訴したために、コピー防止能力を犠牲にして、使用上の安全性を高めるために行われていることではないかと思われますが、はっきりした理由は分かりません。
なお店頭では、従来のCCCDもエラーを減らしたCCCDも区別なく販売されていて、見分けることは出来ません。
個人的には、そんなことするぐらいならCDDAで売ればいいのに、と思います。
誤解のないように追記しますが、「現在のコピーコントロールディスクにはエラーが入っていない」と言っているわけではありません。「エラーが入っていないディスクもある」ということです。エラーが入っているかどうか、店頭で区別することは出来ません。
実際、最近のコピーコントロールディスクであっても再生機器によっては音が飛ぶなど再生に問題を生じることがあります。
聴けるかどうか分からないという状況は、何ら改善されていないのです。
CDS-200にはパソコンで音楽データを再生するようにプレーヤーが入っています。再生するといっても元の音楽データではなく、Windows用に別に収録された音質の悪いファイルを再生します。このプレーヤーは、Windowsの自動演奏機能がONになっていたら「勝手にインストールされる」もので、すこぶる評判がよくありません。アンインストーラーもインストールされますが、不完全なものです。(フリーウェアの完全なアンインストーラーが作られています。詳しくはこちらで。エイベックスとは関係ありません。)
こちらはエイベックスが配付しているアンインストーラーです。開発に時間がかかったんだそうです、、。
なお、このプレーヤーはマッキントッシュやUNIXでは使えません。
後期のCDS-200では、プレーヤーのインストールに際してユーザーが選べるものも出回っているようです。
レーベルゲートCDはソニーミュージックエンタテイメント(SME)によるコピーコントロールディスクの仕様でした。
一枚一枚にIDが入っていてSMEのサーバーに繋げて認証を行う機能が付いており、PCでの再生に対応しています。インストールされるプレーヤーはソニーが音楽配信に使用しているものです。つまり認証を行うことでPCでの再生が可能になるということです。
注意すべきなのは、この方法でPCで再生しようとするとPCへのコピーに料金がかかるということです。一回目は無料ですが二回目以降は「1曲200円×収録曲数」の料金を払わなくてはなりません。聴きたいのが1曲でも「収録曲数」分の料金がかかります(なんでこんなことにしたんだろう)。
はっきりいってやっかいで、すこぶる不評でした。
認証のためにサーバーにアクセスする利用者は非常に少なかったようです。
音楽データのエリアはCDSに準ずるもので、C1、C2エラーも発生します。規格外でもあり「CDS-200の亜種」といっていいディスクです。
03年11月06日からは、レーベルゲートCD2というのがリリースされていました。
これは従来のレーベルゲートCDをふつうのCCCDに近付けたようなもので、ほとんど意味はありません。むしろ、これでアルバムもコピーコントロールディスクに出来るようになり、ユーザーはエラー入りのディスクを購入せざるを得なくなりました。
04年09月末のプレスリリースです。ネットワーク認証型コピーコントロールCD “レーベルゲートCD”仕様の終了について(SME)
05年夏、SMEはレーベルゲートCD2を全廃し、CD-DAで再リリースすると発表しました。
ただし現在も過去にリリースされたレーベルゲートCDが市場で流通しています。購入に際しては確認が必要です。
Key2Audioはソニーの子会社の「Sony DADC」が開発したもので、CDSと違って音楽データのエリアはレッドブックを守っています。しかしフェイクTOCがあり、PCへの負担はCDSよりも大きいようです。新しいタイプのKey2はPCへの負担は少なくなっています。
実際問題として、CD−Rドライブを流用したCDプレーヤーでは再生時の危険が大きいのではないかと推測します。
かつてゾンバレコードが採用していました。
しかし現在は市場で見かけることはほとんどありません。
(key2audio)
日本国内ではありませんが、海外では「SafeAudio」「MediaCloQ」などといったようなものがあるそうです。
輸入盤を購入する時注意が必要かもしれません。いずれもレッドブックから逸脱しているそうです。
韓国には「ALPHA-Audio」というものがあるそうですが詳細不明です。規格外ディスクの可能性が高いと思われます。
まったくバカな項目のようにみえますが、CCCDに関してはこういう項目が必要になります。
それというのも多くのコピーコントロールディスクは規格外ディスクで、一般的な音楽CD(CDDA)と同じとはいかないからです。
まず大事なこと、オーディオメーカーはCCCDの再生を保証していません。
しかも、CCCDメーカーも再生できなくても補償しません。返品も受け付けません。
つまりCCCDを聴くのは「何があろうと自己責任で」ということになります。
おそらく、一応、一般的な音楽CDを聴くことが出来る多くのコンポでCCCDを聴くことが出来ます。
ただし、CCCDに含まれるエラーは全てのコンポに対して多かれ少なかれ負担となるため、再生できるかどうかは誰にも分かりません。CCCDが聴けるかどうかは一種の賭けのようなものなのです。規格外なので聴けないコンポがあります。また、使っているドライブによっては故障することがあります。だから今日聴けたから明日聴けるとは限りません。
また、ひとつのCCCDを聴けたからといって、他のCCCD作品も聴けるとは限りません。CCCDにはバージョン違いがあったりするので聴けたり聴けなかったりするのです。
CDDA専用のドライブを使ったプレーヤーならば、聴くことが出来ます。
しかし、ピックアップなどへの負担の問題があり、故障の原因になります。
コンポによっては、ドライブにCDーROMドライブを流用したものがあります。CDーROMに焼いたmp3を聴くことが出来るプレーヤーや、カーコンポやミニコンポに多いようです。また最近はSACDやDVDにも対応したマルチディスクプレーヤーも増えてきました。こういったコンポは、CDDA専用のドライブを使ったコンポよりも負担が大きく、聴けないケースや聴けても音が飛ぶ、誤動作するなどの問題が出たり、ひどい場合には聴こうとした瞬間に壊れることがあるようです。
個人的には、CCCDをCDプレーヤーで聴くことはお勧めできません。
MD等に録音できるかどうかですが、日本盤のCCCDであれば、CDプレーヤーで再生できればデジタル出力からMDに録音することが出来ます。今のところは。
ただし、輸入盤のCCCDではデジタル出力からは出来ないことが珍しくないそうです。今後日本でもそういったディスクが出てくる可能性があります。
CDからMDへのデジタル録音を禁止することは、レッドブック基準に沿ったままで行うことが可能です。
コピーコントロールとは関係ない、正規のプロテクトの一種ということです。
また、当然ですが、アナログ出力を使ってMDやカセットテープなどに録音することは可能です。
04年2月、店頭で見られるようになったステッカーですが、正確には「輸入盤だからMDコピーできない」のではなく、そういう仕様にしているCDだということです。
PCで聴く場合も、ドライブによっては壊れることがあるようです。
CCCDがCDDAでもCD−ROMでもないわけのわからないディスクである以上、可能性はあると思われます。
なんだかよくわからないディスクをPCのドライブに入れるわけですから、やはりお勧めできません。
CCCDがCDSだった場合、プレーヤーがインストールされます。これはWindowsの自動演奏機能がONになっていたら「勝手にインストール」されます。
このプレーヤーで、エクストラ・トラックに収録されている音源を聴くことになります。エクストラ・トラックに収録されているのはサンプリング周波数44.1kHz、ビットレート47kbpsのWMA音源で、コピーすることは出来ません。
CCCDがソニーのレーベルゲートCDだった場合は挙動が違ってきます。
セキュアCDの場合も違います。
CCCDのプレーヤーは、MacOS、UNIXには対応していません。これはレーベルゲートCD、セキュアCDも同様です。
CCCDのパッケージの表示で「Mac非対応」というのはこのことです。
パソコンでは、CCCDのオーディオトラック(CDプレーヤーで読み取るエリア)を読むことが出来ない、とされています。
しかしおかしなことですが、読むことが出来るドライブが多数存在します。パソコンによってはCDDAとして認識することさえあるようです。
CCCDがコンポで聴けたり聴けなかったりする、あるいはPCで読めたり読めなかったりするのは、ドライブによるといわれています。つまり使われているドライブによってCCCDのデータを読み取る能力に違いがあるということです。
しかし読めたとしても、ドライブへの負担があります。たとえPCで音楽CDとして聴けたとしても、聴くことはお勧め出来ません。
結局、CCCDは「安心して聴くことが出来ないメディア」ということなのです。
CDS-200の抱える問題をおおざっぱにリストしてみます。
どうしてこんなに問題の多い方式でCDをリリースしていたのか、全く理解不能です。
今でもリリースしている企業がある事自体、信じられないことです。
CDS-200(レーベルゲートCDなども含む)の問題のひとつは「規格外である」ということです。このことが原因でいろいろな問題が生じてきます。
以下にそれを記載していきます。
パッケージにシールが貼ってあったり、インナースレーブに記載があったりします。
「再生に不具合を生じる場合があります云々」
つまり、聴けないことがあってもおかしくないということです。
これは、実はパソコンに限りません。
よくみたら、こうも書いてあります。
「一部のCDプレーヤー、DVDプレーヤー等では再生できない場合があります」とか。
規格外ですから、CDプレーヤーでも聴けないことがあります。実際、聴けないという苦情は少なくないようで、オーディオコンポのメーカー各社にはCCCD販売以降、追われるようにホームページでCCCDに対応していないことを表明したところが少なくありません。特に聴けないことが多いのはカーステレオやマルチディスクプレーヤー、ミニコンポなど、CD専用のドライブではなくCD−Rドライブを流用したケースや、SACDやDVDなど他の規格にも対応した機種に多いようです。
オーディオメーカーは将来にわたっても再生保証をすることは出来ないと思われます。規格外ですから対応するコンポを作るということが出来ません。CCCDに使われているCDSという方式自体、仕様を公開していませんしバージョン違いもありますから。現在、CDプレーヤーなどで聴くことが出来ているのは、たまたま偶然で聴けているようなものなのです。
音楽プロデューサーの佐久間正英氏が、日経エンタテイメント誌04年4月号で、スタジオの機材でCCCDがまともに再生できなかった体験を語り、CCCDを批判する意見を述べています。
規格外で、聴けないコンポがあると書きました。マルチディスク対応のコンポが増えていくであろう将来、CCCDを聴くことが出来るコンポは減っていく可能性があります。
10年後には、現在のCCCD作品は聴けないかもしれません。10年後といわなくても、コンポを買い替えるなどした場合も、それまで聴けていたCCCDが新しいコンポで聴けるかどうか、全く保証できないということです。
この問題は、規格に準じたアナログレコードや従来の音楽CD、MD、カセットテープなどでは考えられない問題です。
聴けない場合は論外ですが、聴けた場合。C1、C2エラーのため音質の劣化が生じます。
これはコンポによって差が大きいようで、ほとんど劣化しないケースからひどくて聴くに耐えないケースまで様々なようです。
C1エラーは「符号誤り訂正」という操作が行われ訂正されます。
C2エラーは「致命的読み込みエラー」といわれ、符号誤り訂正の効かないエラーということです。プレーヤーの訂正機能の能力を超えていますので正確な再生は出来ないということになります。
この場合、C2訂正回路が働き補正されますが、符号誤り訂正のような正確な訂正ではありません。
C2訂正回路でも訂正不能なエラーはCUエラーといわれます。コピーコントロールディスクではしばしば見られます。
CD−RドライブではC2訂正を行わない場合も多く、聴けても音飛びするなどの再生上の問題を生じることがあります。
C1、C2エラーがあるとCDプレーヤーのサーボが反応しピックアップを調節します。少々の問題はクリアできるようにプレーヤーが調節するように作られているのです。
CCCDの場合、C1、C2エラーが大量に出るように作られていますから、サーボの反応はビジーになります。
その結果、再生音への影響が大きいアナログ回路のノイズが大量に発生します。
これが、CCCDで音質が劣化する主な原因と思われます。
アナログノイズの処理能力はコンポによって大きな差があります。サーボから発生するアナログノイズが音質劣化の原因とすれば、コンポによって音質劣化の程度がかなり違うことを上手く説明できると思います。
CDプレーヤーは、C1、C2エラーがあるとサーボが反応しピックアップを調節します。CCCDの場合、C1、C2エラーが大量に含まれていますから普通のCDDAを聴くのに比べたらサーボやピックアップへの負担は大きくなります。
特にC2エラーは繰り返し読み込む動作を誘発するため、確実にコンポに負担をかけるそうです。
パソコン雑誌に長時間の連続再生によって確実にドライブを破壊するとまで書かれたことがありました。
CCCDは規格外ですから、オーディオメーカーもサーボやピックアップにどれだけの負担が生じるのかは検証していないところが多いようです(そもそもオーディオメーカーが検証しなくてはならない謂われもないわけです。検証には費用と労力と時間がかかるでしょう)。
再生したその日に壊れてもおかしくないし、一年後に寿命が来てもおかしくありません。三年もってもおかしくないわけです。そして故障したとしても、原因がCCCDであるという証拠は生じません。サーボへの負担による劣化は「老朽化」そのものであり、壊れても「コンポの寿命」で済まされてしまう可能性が極めて高いのです。
さらに、フェイクTOCはコンポにより大きな負担を与えることがあります。これは、フェイクTOCを読んでしまう構造になっているドライブを使用しているコンポの場合です。フェイクTOCによるピックアップなどの誤動作で、ひどい場合には再生しようとした次の瞬間に故障することがあるようです。CD-ROMドライブを流用したカーコンポやミニコンポなどでそういったケースが多いようです。mp3を収録したディスクを再生できるコンポなども、壊れる危険が大きいといえるでしょう。
こうした問題を抱えたCCCDですが、買って聴こうとして問題が生じたらどうすればいいでしょうか。
パッケージに記載があります。聴けない場合やコンポの故障に対する補償は、一切ありません。
これは問題であり、実際、フランスでは聴けないことがあるため訴訟になり、EMIが敗訴しています。
著作権保護のために違法コピーをなくす名目で導入されているCCCDですが、そもそも、CCCDのコピー防止機能は完全ではありません。
何の問題もなくデジタルコピーが出来てしまうCD−Rドライブが少なくありません。
4割という記事がネット上にありましたが、削除されてしまったようです。現在では、リッピング出来るドライブはさらに増えているようです。
簡単にリッピングできるCCCDで著作権保護や違法コピー防止を謳うのはおかしい。
これもCCCDの大きな問題です。
違法にコピーする人にとっては痛くも痒くもない。ただいたずらに購入者の負担を増やすだけなのです。
さらにわけが分からないのは、CCCDをリッピングしてCD−Rに焼き付けることで、規格外ディスク故に生じる再生不良やコンポへの負担などの問題が解消されることです。
このことは、CCCDが販売され始めた当初から既にネット上に上がってしまっています。それほど簡単なことなのです。
信じられません。正規の製品よりもコピーしたものの方が良質で安全なのです。
これでコピーを防止すると主張しているのです。
違法コピー防止を謳うCCCDが、簡単にリッピングできることを不思議に思う人がいるかもしれません。
まさにそのとおりで、エイベックスは「CCCDで違法コピーがなくなるとは思っていない」と言っています。
ですから、なぜCCCDをリリースするのか、全く理解できません。レコード協会がいう「著作権の保護」にも「音楽文化の保護」にも、全くなっていないのですから。
ここで、「違法コピー」って何だろう、という疑問があります。
著作権法は、私的な範囲でのコピー使用は、違法とは見なしていません。
つまり、私的な範囲から外れるコピーの使用が、違法なのです。
例えばCDをコピーして不特定多数に販売したら、これは私的な範囲とは言えません。違法コピーです。
では、自分のCDをコピーしてそれを自分で使ったらどうでしょう。
私的な範囲で使用するのは合法です。
ところがコピーコントロールは「コピー自体を制限する」ものです。
つまり「違法コピーと呼ばれるものを減らすために、違法でないコピーも制限するもの」です。
著作権法をよく知らない人の中には、コピーコントロールディスクを見て「CDをコピーして聴くのが違法だなんて知らなかった」というような、勘違いをする人もいます。
よく知らない人は「違法ということならユーザーが我慢するのも仕方ないんじゃないか」と思ってしまうこともあります。
音楽業界の主張する「違法コピー」とは何なのか、実は極めて曖昧で、実態のつかめないコトバです。
音楽業界は「違法コピー」の為に「損害」が生じていると主張しています。
CD−Rに焼くことが問題だというような言い方が見られたり、ネットに流れるのが問題だという言い方をされたり、いろいろな主張があります。
実際には損害を立証する正確なデータはなく、業界にとって都合がいい推測に基づいて諸々の主張がなされています。
いったいどうなっているのでしょう。
私的な範囲でのコピー使用は違法ではない、と書きました。
では私的な範囲はどこまでなのかとなると、実は非常に曖昧なのです。
その曖昧さに乗じて、音楽業界は「違法コピー」という曖昧なコトバを恣意的に使っています。
業界にとって「違法コピー」という曖昧なコトバは都合がいいのです。
例えば、音楽業界は「違法コピーのせいで不利益がある」と主張し、私的録音補償金という制度の拡大を政府に求めています。
コピーに使う商品の価格に上乗せされるお金が、音楽業界に入る制度です。
なんとなく「違法コピー」というコトバのせいで音楽業界に正当性があるかのように聞こえます。
音楽業界に正当性はあるのでしょうか。
音楽業界は「ユーザーは室内で聴くCDとは別にカーステレオ用のCDを追加して買うべきだ。それをコピーで済ますのは許されることではない。」と思っています。
そういった考え方をもとにした「損害の試算」を音楽業界はしばしば公表しています。
前述の私的録音補償金制度の拡大の主張も、それを根拠にしています。
しかし、こういったコピーの使用法は「合法」です。
私的な範囲での使用ですから。
音楽業界にとって、そのコピーが合法かどうかは問題ではない、ということです。
実は、音楽業界の主張は「損害は合法的な使用によっても生じている、これは補償されるべきだ」という主張なのです。
音楽業界が「不利益を受けている」と考えた時点で、その行為は「違法コピー」と称せられるのです。
どんな不利益が生じているのか、正確なデータは必要ありません。
業界は主張するだけです。
「皆がカーステレオ用にコピーを使うから、自分たちは損害を被っている」と。
音楽業界は、曖昧なコトバでユーザーの遵法精神に訴えかけています。
ユーザーが「コピーそのものが違法」と「勘違い」してくれた方が、彼らにとって何かと都合がいいのです。
自分たちの利益のために根拠のない主張をしてるのではなく、「悪いのはユーザーであり自分たちには法的な正当性があるのだ」と思わせることが出来るからです。
現に159回国会では、大臣を初め議員達をけむに巻いて著作権法の改悪を行いました。
コピーコントロールディスクは「本来の著作権保護とは全く関係のないユーザーの利便性の制限を行うもの」です。
なぜそんなことをするのか。
コピーして車で聴く便利さよりも、車用のCDをもう1枚買う不便さの方が、業界にとって利益になるからです。
そのコピーが合法であっても、違法と思わせている方が、ユーザーの財布のひもは緩くなるでしょう。
音楽業界は「ユーザーは不便な思いをして金を払うべきだ」と考えています。
音楽業界は著作権の「権利者」だから、こんなことを言っても正当性があるのだと思っているようです。
それが「違法コピー」というコトバの正体です。
音楽業界の著作権がらみの主張は、万事がこんな調子です。
ちなみにここでいう音楽業界とは、JASRAC、RIAJ、日本芸能実演家団体協議会、日本音楽事業者協会、音楽出版社協会、音楽制作者連盟、日本音楽作家団体協議会。
彼らが、前述のような主張をしている業界の団体です。
例えば、こんな記載がされています。
「ただし、一部のCDプレーヤー、DVDプレーヤー等では再生できない場合があります」「製造工程上の不良品以外、交換・返品・返金には応じられません」
つまり、聴けなくても「製造工程上ちゃんとしたCCCD」であれば返品、交換などメーカーのサポートはありません。
しかし、製造工程上の不具合のせいで聴けないのか、「ちゃんとしたCCCD」であるがために聴けないのか、どう区別するんでしょうかね、、?
CDDAであれば、まっとうに再生して聴けなかったら、その時点で返品・交換がきくと思うのですが。
エイベックスは、聴けなかった場合には要求があればMDで補償する、ということです(ただし公式にアナウンスはしていません。本気なのかどうか分かりません)。それ意外のメーカーでは再生できなくても全く補償されません。
店頭での返品には応じないということです。返品に応じてくれた場合、小売り店が負担しているということです。
フランスでは聴けないことがあるため訴訟になり、EMIが敗訴しました。EMIはCCCDを購入したユーザーに対して、聴けなかった場合は補償するようにという判決です。
04年秋、日本でも議院の質問に対する政府の答弁で、消費者契約法に触れる可能性が示唆されました。
しかしコピーコントロールディスクを販売している各社は「聴けなくても購入したユーザーの責任であり補償はしない」という姿勢を取り続けています。
オーディオメーカー側の対応ですが、そもそもCCCDは規格外ですから、どんな問題があろうと補償の対象になりません。
補償の対象にしようがないというか。対応しようがないというか。
CCCDが規格外である以上、たとえコンポに問題がなくても、再生によって問題を生じる可能性があります。
CCCDにはバージョン違いもありますから、ディスクが違うと聴けたり聴けなかったりしてもおかしくありません。そして聴けたとしても、コンポへの負担によって後々問題が生じる可能性があります。この場合、補償はされません。
補償期間内であっても、規格外のディスクを再生したことによる故障は通常の使用とは考えられず、補償の適応から外れます。
以下、いくつかのオーディオメーカーへのリンクです。
コピーコントロールディスクへの対応についてのコメントです。
オーディオメーカーは最近SACDやDVD-audioなどの次世代規格に対応した低価格プレーヤーを多く発売しています。コピーコントロールディスクから次世代規格への移行を推進しようとしているようです。
規格外ディスクへの対応を謳うオーディオメーカーがあるということです。マクロビジョンにライセンス料を支払うことでCDSに関するものだけは再生保証可能になるのだとか。仕様が乱立しどのように変わるか分からないコピーコントロールディスクの全てに対応出来るものではないということです。
どうせ全てに対応できないのなら対応しなくてもいいんじゃないかと僕などは思います。
詳しくはリンク先をお読み下さい。
CCCD対応プレイヤー(FLOWERLOUNGE)
興味がない人は「単なるコピーが出来ないCD」という程度の認識しか持っていない場合がほとんどでした。
04年以前、アーティストサイドからのコメントは「音質には配慮している」といったような何とも納得しにくいものばかりでした。
問題は指摘されていましたが、当時それを知っている人は少なかったのです。
04年以前、多くのメーカーがCCCDを推進していた頃、制作サイドが考えているコピーコントロールディスクと、実際に市場に出回るものとは全く異なっている場合があったようです。
GLAYのプロデューサーである佐久間正英氏のオフィシャルサイトBBSのスレッド「CCCDについて」で、佐久間氏本人から、実際に売られているCCCDの音質や挙動に驚いた、という旨の書き込みがありました。佐久間氏は、愕然とした、制作者の一員として、やはり許せない状況 、とコメントしています。
どうやらアーティストサイドのコメントに説得力がない場合が多かったのは、制作サイドの多くが市場のCCCDの現実について、全く知らないどころか、間違った認識をしていた、という理由もあったのだと思います。
どうしてそうなのか。
おそらくメーカーは制作サイドに伝えるべき情報を伝えていなかったのだと思います。
アーティストや制作現場のスタッフで、CCCDについてのコメントを出している人がいます。
アーティストは音楽プロダクションとの契約に縛られ、思ったことをなかなかいえないのが現状です。CDをCCCDで出すかどうかについても、実は多くのアーティストに決定権はないのだそうです。プロダクションの決定には契約上従わなくてはなりません。
音楽業界を挙げてコピーコントロールを推進していた2002〜2004年秋にかけて、どうやら企業サイドは制作サイドに、コピーコントロールについて正しい情報を伝えていなかったようです。
そんな状況の中で行われたミュージシャン、音楽関係者のコメントの一部をまとめています。
04年末現在、レコード会社からミュージシャンに対して、どのようにCCCDの問題について伝えられているのかは分かりません。
コピーコントロールを推進する企業は少数派になりましたが、、。
02年10月、ラジオ番組「サンデー・ソングブック」にて、音質悪化について批判し、自分の作品はCCCDにしないと表明しています。
自らのホームページで折に触れて反対を表明しています。
これがホームページでの最初の反対表明とのこと。とても分かりやすく鋭い指摘です。
他にも度々意見を表明しています。例えば2002.12.29とか。Pick Listから過去のコラムが読めます。
輸入権問題についても反対を表明しています。
他にも多くの場で反対意見を述べています。これは、FMP EXPRESSでのインタビュー。
CCCDの場合、レビューの依頼を断ることもあるとか。頭が下がります。
Five-Dは、04年04月、現在のCCCDは採用しないと宣言した音楽プロダクションです。
佐藤氏は、Five-Dの創立者であり、現在の代表取締役兼プロデューサーです。
ミュージックマシーンにアップされたインタビューです。ご一読を。
SMEと佐野元春はレーベルゲートCDの採用を巡って協議していましたが決裂。
04年4月、佐野元春は5月19日発売のシングル「月夜を往け」のリリースを最後にエピックレコードジャパンから独立し、新レーベルを設立、4年半ぶりとなる新作オリジナル・アルバムをその新レーベルからリリースすると発表しました。
佐野元春、新レーベル設立へ
世界的に有名なロックバンド、QUEENのギタリストです。ベストアルバムがCCCDで販売されました。
04年01月15日、日本のファンからのメールに応えて、CCCDに反対を表明しています。
2ちゃんねるから、ななし氏による訳をもらってきました。
02年08月、オフィシャルサイト「BELLS」のVoiceにて、CCCD肯定のコメントをしています。現在コメントはサイト上に残っていません。
muplus.netのアーカイブスでログが読めます。
04年秋、エイベックスはCCCD強制を止めましたが、このことに際して吉田美奈子サイドでは混乱があったようです。
公式サイトに一時掲載されていた「コピーコントロールを外す」というコメントが、数日後には削除されました。しかしその後、再びコピーコントロールはしないとアナウンスされたようです。
04年09月18日、オフィシャルサイトで、コピーコントロールからの無条件撤退と謝罪のコメントを表明しました。その後、サイトがリニューアルされたようです。現在はBLOGでログが読めます。エイベックスは04年09月、コピーコントロールの使用について柔軟に対応するように方針を転換しています。
「Hikki's WEB SITE」のStaff Diaryにて、度々父親の宇多田照實氏の書き込みがあります。
02年4月23日(火)、24日(水)、29日(月)のコメントです。CCCDに反対しています。
04年09月、ユニバーサルに移籍しアルバムを発表しました。
GLAYや175Rなどの作品でプロデューサーを務めています。
03年10月、オフィシャルサイトBBSでの議論を通じて、CCCDがスタジオの機材でまともに再生できないことが発覚。佐久間氏は「実際に売られているCCCDの音質や挙動に愕然とした」と書き込みました(過去ログP0001レス番号 No.478)。制作者の一員としてやはり許せない状況 、ともコメントしています。
その後「今後、GLAYのCCCDはない」と宣言(過去ログP0002レス番号 No.642)しました。
04年4月号の日経エンタテイメント誌で、CCCDへの批判、さらに突っ込んだ意見を寄せています。
スタジオで再生できなかった自らの経験も含めて、音楽業界のあり方について痛烈な批判です。
CCCDに反対でしたが、EMIの方針に従わざるを得なかったようです。
CCCDでリリースされたシングルのパッケージに「compact disc digital audio」という表示(マークではない)があったりして、いろいろ大変でした。しかし、プロデューサーの佐久間正英氏のオフィシャルサイトBBSで佐久間氏自身がCCCDの問題について認識し、その後「今後、GLAYのCCCDはない」と宣言されました。
WHAT'S IN?誌04年1月号、P.56にて、yukihiroが「コピーコントロールCDは聴けないから買えない」とコメントしています。
ビクターの発売直前でのCCCD告知に端を発した議論が公式サイトBBSで起こりました。これを機にコピーコントロールの弊害をアーティストが知ることになり、CCCD回避につながりました。メンバーはBBSの議論で得た知識をふまえてビクターと交渉したようです。
DIARY 03/11/29に、CCCD回避の報告と聴けなかった人への謝罪が書き込まれています。
03年01月末、「ECDBBS」に書き込み。現在、残念ながら当時の記録は残っていません。
muplus.netのアーカイブスでログの一部が読めます。
作品がCCCD化されたことに伴うメーカーとの軋轢を語っています。ぜひ一読をお勧めします。
ECD氏は現在、インディーで活動しています。
04年7月22日、J-WAVEのコラムサイトでさり気なく問題点について書いています。
ライブで反CCCDの表明をしています。
ナンバーガールの公式サイトBBSで東芝EMI担当者の加茂啓太郎氏と議論を展開したことがあります(現在、サイトは閉鎖されています)。
加茂氏のコメントは、EMIのオーディションサイトである「GREAT HUNTING」のダイアリー(03.01.31.)で読むことが出来ます。
ナンバーガールは02年末、惜しまれつつ解散しました。
ミト氏がバリヤバ誌で反対を表明。コピーフリーのライブイベントを行ったりしています。
Vo/Gの岸田繁がファンクラブ会報でCCCDというやり方について懸念を表明しています。
03年11月、オフィシャル掲示板で、自分はCCCDは絶対買わないと書き込んでいます。04年3月発売のアルバムでは、CCCD回避に成功しました。
公式サイトのQ+Aで、宇多丸氏が03.12.03.にコメント。
レーベルゲートでリリースになったことについて、抵抗はしたが"大企業の論理というのは甘くなかった"と。
作品の題材にレーベルゲートを取り上げています。「敗北感あふれる」とのこと。
04年03月、はてなダイアリーの記事より、「もうさ、CCCDとかめんどくせーから、(次に電気をやるとしたら)DVDで出そうかと思って」とのこと。
スペースシャワーTV(スカイパーフェクTV)04年5月7日放送の「BBL WORLD」にて、輸入権とCCCDについて怒りの表明。
03年1〜3月、自らのサイトでCCCDの是非を問うファン投票を行いました。その成果か、CDDAでリリースされています。
【(緊急アンケート)/CCCDってどうですか?】
05年、東芝EMIからコロムビアミュージックエンタテイメントに移籍しています。
03年夏、公式サイトの掲示板で、CCCDについてかなり突っ込んだ議論が行われました。
公式掲示板でアーティスト、スタッフも交えてコピーコントロールディスクについての議論が行われるのはまれなことです。
スタッフ、アーティストともに反対を表明していますが、会社の方針でレーベルゲートやむなし、と。これがゴッチの最終コメント。
掲示板での議論の過去ログには、こちらにてリンク。
公式サイトの妖怪日記で04年07月31日、コピーコントロールディスク採用とCDDAでの再発の経緯について説明しています。
CCCDがうまくいかなかった場合、CDDAで再発する約束だったとのこと。
浅倉大介とともに、コピーコントロールの導入当初から問題に対して意識的だったアーティストとして知られています。
ソニーがレーベルゲート2を強制的に導入する方針を示したのに対して、04年3月、オフィシャルサイトで導入反対の姿勢を示しましたが、最終的にはレーベルゲートでのリリースを受け入れざるを得ませんでした。
しかし04年秋、SMEがレーベルゲート仕様を終了するに至り、彼の新作はCDDAでのリリースが決定されました。
04年5月30日、Far East SatelliteというFMラジオ番組で輸入権法制化に反対するとともに、コピーコントロールディスクについてもコメントしています。
番組の内容がテキスト化されています。
04年06月、8月発売のシングルがCCCDになってしまったことについて、オフィシャルサイトでコメントがあがっています。悲痛。
この時点では、エイベックスは全ての作品をCCCDにするとしていました。CCCDでの発売に際して、マネージャーが公式BBSで行った発言が批判を受けたこともありました。
09月、エイベックスはCCCD採用について、現場の意向に対して柔軟に対応するという内容のプレスリリースを発表しました。以降、カーネーションの作品はCDDAでリリースされることになりました。
CCCDを巡る顛末の中でカーネーションが何を考えていたのか、ミュージックマガジン04年12月号にインタビュー記事が掲載されています。
04年04月、公式サイトで音が悪いから反対と表明しています。最終段階のところで「音そのもの」が全く変わってしまう、とのこと。
たとえ一般のリスナーにはわからないレベルであっても音楽に向かう姿勢が問われると指摘しています。
コピーコントロール導入初期からラジオ、ファンクラブ会報で反CCCDを表明しています。その会報をスキャンしたものがネット上にアップロードされています。
ソニーがアルバムにもレーベルゲートを使用するに至り、CDによる発表の場を自主制作に移しました。
自らのサイトの日記(Tsurezure)で02年6月29日、音質の劣化について、創作意欲を削がれるという意味合いのコメントをしています。また、正規のユーザーに負担がかかる可能性も指摘しています。
Electric Rhodes Orchestraとして活動中。
ゲーム「サクラ大戦」プロデューサーです。02年09月、公式掲示板で「ゲームミュージックがゲーム機で聴けないのは問題」と発言しています。
04年8月末にも、公式BBSでCCCD回避の意向を宣言しています。
プロデューサーの片岡大志氏がネット上の日記で02年4月29日、音楽制作スタッフの立場からCCCD反対を表明しています。
CDDAでのリリースを続けていましたが、04年8月、ベスト盤がCCCDでリリースされました。
本人の意向ではなく、新作は「CCCD回避」するためにCD-Extraでのリリースを検討しているとのこと。
「BONNIE PINK [official web site]」のVoiceに、03年2月19日、新作がCCCDだったことについてコメントしています。
聴けない人がいることについての心痛と、CCCDでリリースする葛藤などについて言及しています。
その後、インディーズからライヴ盤+DVDをリリースしています。
サニーデイサービスのファンサイト「It's a Sunny Day Service !」のBBSにて本人による書き込み。CCCDでは出さないそうです。
ちょっとすごいインタビューが読めます。03年4月30日up。ここは、公式サイトなのかなぁ。
「ミュージックマシーン」でのインタビューでCCCDとそれを取り巻く状況への嫌悪感を表明しています。
インディーズに下った立場から、アーティストが契約に縛られるメジャー音楽業界に向けての発言です。
「MEMORY LAB」のcolumn、OWNER'S LOGで、しばしば言及しています。
かなり突っ込んだ内容で生々しい。ボリュームもすごいなぁ。
2002.08.20、
2002.09.09、10、11、12、13、14、
2002.09.16、18、
2002.09.25、29、
2002.09.30、10.02、04、
2002.10.10、
2002.10.29、11.02、03、
2002.11.19、20、21、22、
2002.12.02、05、07、08、
2003.01.18〜19、
2003.01.28、
以降も時々ありますが、上の半年間がいかに大変だったかという感じ。
以下は、時々ぽつぽつ。
2003.05.16、17、
2003.05.19、20、
2003.06.10、
2003.11.04、
11.04.では、現行のコピーコントロールに反対だがコピー防止自体は賛成、ともコメントしています。
5月4日、輸入権問題について、ピーターバラカン氏とシンポジウムを開催しました。
それは日本音楽史上まれに見る大きな潮流となっています。
レコーディングエンジニアの視点からの辛口コラム、人工甘味料。
デジタルコピーの音質劣化についても書いています。これは高橋氏もちょびっと触れていて、制作側の常識らしいですね。
02年05月、CCCDの音質劣化について、問題にならない程度で気にする人はパラノイアであると発言している。
ということなのですが、この発言はオフィシャルBBSでのもので、むしろ作品を購入したファンを気づかってなされたものです。テイ氏自身は音質の劣化があるといっており、ちょっと自虐的です。契約上仕方がないという立場であり、ミュージシャンの難しい立場が伺えます。
発言だけが取沙汰されるようなので、一応。
マスコミは、CCCDについてほとんど報道していませんでした。
そういった状況なので、CCCDの問題について知っている人の間では、マスコミが報道しないように音楽業界が牽制しているのでは、という噂があとを断ちませんでした。音楽雑誌やオーディオ雑誌でも取り上げられることはほとんどありませんし、あっても核心をついた記述はほとんどありません。むしろ音楽業界とは関係が薄いメディアで取り上げられることが多いようです。
最も関心を持っているであろう層に向けて出版されている雑誌で、ほとんど全くといっていい程取り上げられない現状は、箝口令が敷かれていると思われても仕方がないと思われます。そしてそのことを書いたミュージックマガジンのルポルタージュがネット上に公開されています。
03年の時点では、音楽系の雑誌で取上げられることはほとんどありませんでした。
そんな中で、ミュージックマガジンは03年2月号で、かなり踏み込んで記事にしています。しかしその後続の記事はイラクでの戦争の記事に差し替えられ、03年5月時点で掲載されていません。折に触れて批判的なコメントが見られます。03年12月、コピーコントロールディスクに批判的なため、EMIがレビュー用のサンプルを引き上げた、という情報が2ちゃんねるに上がりました。もう広告費など払わないよ、ということです。
インディペンデント系では、米国音楽が反対を表明。SNOOZERは現在の音楽業界が抱える問題の中で位置付けしていく、としています。クッキーシーンでコピーコントロールについての連載記事が掲載されているそうですが読めていません(近くで売ってない、、)。
オーディオ誌では03年、オーディオアクセサリー誌がCCCDについて特集を組みましたが、ちょっと情報が古いようでした。
音楽系以外では、特選街03年5月号でコピーコントロールディスクについて特集が組まれています。
パソコン批評03年8月号Vol.46で「CCCDがもたらしたCD市場を検証する」という特集が組まれています。ここではついに「連続再生すると必ずドライブを破壊する」と言い切られています。パソコン批評誌は、メーカーや業界に追随した提灯記事は書かないと宣言しています。
週刊アスキーは03年、フランスでEMIが敗訴したことについて記事にしています(扱いは小さいですが)。
読売新聞が、03年2月にコピーコントロールディスクに批判的な記事を書いています。
しかし、輸入盤規制法案の問題が表面化した04年からやや状況が変わってきた気がします。この法案は04年6月、成立しました。
04年、オーディオ系の雑誌は多くが反対を表明しています。
stereo誌は04年2月号で2ページの解説。レコード会社、アーティスト、リスナーどれに対してもメリットがない。とのこと。無線と実験(MJ)誌04年5月号では、CCCDの"CD"の意味は"Counterfeit Disc"(模造ディスク)の略と考えるのが一番妥当、とのこと。辛辣。
04年4月号の日経エンタテイメント誌は、佐久間正英氏の痛烈なCCCD批判と、ビクターの肯定意見を並記する形で記事にしています。
音楽雑誌大手のrockin'on誌はコピーコントロールの問題について一切報道していませんでしたが、04年6月号でEMIにインタビューを行っています。なお、輸入盤規制について7月号で報道しています。
読売新聞の04.03.22.夕刊に、複製制御CD 愛好家に不評 新規格普及など対策をが掲載されました。
朝日新聞は04年6月、コピーコントロールに反対するミュージシャンが増えているという主旨の記事を掲載しています。
レコード協会が行ったアンケートは、CCCDに関する民意をねじまげて抽出するように作られています。
情報操作ということです。
日本レコード協会は、CCCDを推進しています。
アンケートの質問を見ると分かりますが、再生に問題があることも知った上でのことです。
問題のアンケートとその結果報告は、ここをクリックするとpdfファイルをダウンロードできます。
CCCD日誌に、これを読んで僕なりに感じたことをまとめました。
日本レコード協会前々会長の富塚氏(元ビクター)のNHKスペシャルでの発言「CDのコピーに使われるパソコンなんか売れなくていい」はよく知られています。また「映画や本は一回見たら終わりだが、音楽は繰り返し聴くものだから云々」という、よく分からない発言もしています。
04年08月に辞任した前会長の依田氏(元エイベックス社長)は、SACDの広報パーティーで「音質は音楽を聴くのに関係ない」という主旨の発言をしています。また、聴けない人がいるということも知っているという発言をしています。
依田氏は第159回国会に参考人として出席し、法制化によって海外作品の輸入が影響を受けることはない、と発言しています。依田氏の辞任によって、輸入権法制化に際してなされた多くの発言について、責任の所在が曖昧になるのではないか、と危惧されています。
03年2月、スクービードゥーの公式サイトでビクターエンターティメントの社員が一般のファンを装ってCCCDを擁護する書き込みをしていたのが発覚しています。スクービードゥーの掲示板はこれを機に閉鎖されました。ビクターはネット上に謝罪文を出しましたが、現在は削除され見ることが出来ません。また、同じくビクター所属のTRICERATOPSの掲示板でも同様の操作と考えられる不審な書き込みが見られました。04年2月、キセルの公式BBSでやはりビクター社員の書き込みが。
学習する能力と反省する能力がないようです。詳しくはこちら。
これらビクターのケースはたまたま発覚しましたが、他のところでも同様のことが行われている可能性が高いと言われています。
04年以前、アーティストの公式サイトBBSでCCCDについての書き込みを行った場合、削除されることがしばしばありました。
コピーコントロールについての議論を公式掲示板で行うのは困難でした。
今はどうでしょうか。
今では、CCCDが欠陥品であることは周知の事実であり、議論の余地はなくなりました。
規格外ディスクであるCCCDは買っても聴けない人がいます。プレーヤーへの負担を考えると「CCCDはプレーヤーに入れたくない」という人もいます。
CCCDでリリースされた作品を安心して聴くことはできないでしょうか。
そこで、バックアップして使おうかという考えが出てきます。CCCDの問題点を逆手に取った裏技です。
つまり原盤のCCCDは普段聴くのには使わず、コピーして作ったバックアップで聴こう、という考え方です。
リッピングによって出来るバックアップCD−Rは上記の技術的な問題(フェイクTOCやC1、C2エラーの問題)が解消されて、実質上、普通のCDDAに出来ます。こうしてリッピングによって複製されたバックアップは、CDプレーヤーに対する負担が減ります。音質も向上します。(最近になって、リッピングしてバックアップを取っても音質が向上しないという話が見られるようになりました。マスター自体の音質を落としているという説がありますが、、ほんとにそこまでやるでしょうか。。。)
コピーしたら問題ないディスクが出来るなんて、まったく本末転倒もいいところです。
半数のパソコンのドライブで、何の障害もなくリッピングコピーができます。これを個人で楽しむ範囲で使用する場合、著作権の侵害には当たりません。
また、CCCDを読めないドライブでも、簡単な手法で読めるようになることがあるそうです。ネット上で検索したら読めないドライブで読めるようにする方法が書いてあるサイトが見つかると思います。最近は、本屋でも手法を特集したムックが並ぶようになりました。フェイクTOCを無効にすることで読めるようにするようです。なんでもセロテープか、水性マーカーをちょこっと使うのだそうです。
訂正。最近はこの方法はもう古いようです。といいますか、コピーコントロールディスクに対応したCD−Rドライブが多くなってきたようです。なんというか、です。
しかし、バックアップに際してのC1、C2エラーによるドライブへの負担はどのような方法を取っても変わりません。
またバックアップのために、ディスク自体を加工したり特殊なソフトを利用するのは、厳密には著作権法違反になるそうです。
あくまで自己責任で行って下さい。
03年末、コピーしたらエラーが入る妙なCCCDがポニーキャニオンから販売されています。これは、普通に聴くぶんにはエラーがないらしいのですが、安全なものなのかどうかよく分かりません。リッピングコピーではドライブによってエラーが入るケースがあるため、バックアップがやりにくくなっています。
詳しくはCD−R実験室のレポートを参照してください。
これはバックアップといえるかどうか、、。
ともあれ、CDプレーヤーのデジタル出力からMDにコピーすることは可能です。ただし、輸入盤のCCCDでは出来ないことがあるそうです。これは「コピー禁止ビット」で設定された規格に沿ったコピーガードで、コピーコントロールとは関係ありません。
また、当然ですが、アナログ出力を使ってMDやカセットテープなどに録音することは可能です。
...バックアップというよりもダビングコピーですが。
なんにせよ、コピーを聴く分にはコンポへの負担はないわけです。
MDに録音して聴いてもMDプレーヤーに負担はないのか、という不安を感じる人がおられます。
一般的にCDにエラー信号があった場合、MDに伝達されるデジタル信号は、エラー部分を平均値補間されたPCMデータにバリディティ・フラグ(この信号は信頼できないという意味)が立った状態で送信されるのが普通だということです。そして、この状態の信号をどのように扱うかは、受け取った機器側で勝手に決定できるのだそうです。
つまり、MDプレーヤーが扱うことになるのは「フラグが立ったPCMデータ」で、これは「エラー」ではなく「PCMデータ」なので普通に圧縮されるだけ、ということになります。
CCCDのエラーも同様に処理されます。
ですから、MDプレーヤーへの負担はない、ということだそうです。
こうした従来の方法でのバックアップが出来るのは、CDプレーヤーでCCCDを再生できた場合に限ります。
当然、再生するCDプレーヤーには負担がかかります。、、
結局、自己責任でやっていただくことになります。
日本でCDS-200方式が受け入れられず、採用するメーカーが激減する中、海外では新世代のCCCDが多く採用されました。
日本でも東芝EMIが新世代のCCCDを採用しています。
新世代CCCDは、ディスク自体にリッピングを防止する機能を持たせることは諦めています。
旧世代CCCDで行われていたエラーの混入やフェイクTOCなどはありません。
そのかわり、パソコンでのコピー使用を制限するために、ディスクからパソコンに付属ソフトウェアをインストールする仕様になっています。
つまり、ユーザーのパソコン自体にDRM機能を持たせようということです。
ところが、05年10月末、SONY BMGが販売していたディスクをパソコンで使用すると、問題のあるソフトがインストールされることが発覚しました。その結果、セキュリティーの問題を生じたりパソコンの挙動自体がおかしくなります。
世界中で、56万台以上のパソコンに「rootkit」がインストールされた、と専門家が指摘しています。
しかもそのうち、21万台は日本のパソコンだと言うのです。
感染は50万以上のネットワークに?(上/下)(hot wired)
行きすぎた著作権保護:“スパイ的コピープロテクト”の波紋(ITmedia)
ITmediaの関連記事リンク集です。
ソニーBMG 音楽CD スパイウェア混入事件:リンク集
ここでネット上の情報が網羅されています。
海外では大問題になりましたが、日本では一部のネットニュースを除いて、ほとんど報道されませんでした。
06年5月、SONY BMGはようやく、集団訴訟の和解案の最終承認を米連邦裁判所から取り付けました。
SONY BMGのrootkit CD訴訟、和解を最終承認(ITmedia)
「問題のあるCDを購入した顧客に無料の音楽ダウンロードを提供する」というのが、その内容です。
ここでいう問題のあるCDとは、「XCP」と「「MediaMax」です。
アメリカでの多くの訴訟が解決に向かうと思われます。しかし、解決に至っていない訴訟も残っています。
新世代CCCDは、何か得体が知れないものをパソコン(Windows)にインストールする仕様になっています。
パソコンで使用する場合、オートラン機能は必ずOFFにしてください。付属しているソフトが勝手に起動しないようにするためです。
付属しているソフトには触らないように気をつけてください。
それが出来ないのであれば、絶対にパソコンで使用しないでください。セキュリティやパソコン自体の不具合などの問題が生じる可能性があります。
XCPはFirst4Internetが提供し、米国のSONY BMGが採用している方式です。
音楽CDの規格に沿ったコピーガードだといわれていますが、実はとんでもない代物であることが発覚しています。
この方式のディスクは、極めて危険なディスクです。使用に際し厳重注意を要します。
エンドユーザーライセンス契約に同意した時点で、「rootkit」というツールをWindowsの深部に組み込むため、個人のパソコンがハッカーなどに悪用される可能性が生じるということです。さらに、対策として配布されたパッチによってマシンがクラッシュする可能性があるとのことです。
EFFなど多くの集団訴訟、テキサス州など自治体からの提訴を抱え、余りの問題の大きさにSONY BMGが回収、交換すると発表するに至りました。
以下、いくつか関連してリンク。
発端はこちら。
Sony, Rootkits and Digital Rights Management Gone Too Far(Mark's Sysinternals Blog)
プログラマーのMark Russinovich氏が自分のパソコンの挙動がおかしいことに気付き解析、XCPによってrootkitがインストールされているのを発見しました。
SONY BMGのコピー防止CDがrootkitを組み込む(ITmedia)
ソニーBMGのCD保護対策にセキュリティの懸念噴出--「行き過ぎ」との批判も(cnet japan)
ソニーの音楽CDに「トロイの木馬」真の問題点は何か(hot wired)
XCPディスクで行われていることは、犯罪とみなされる可能性があります。
Get Right with the Man [CONTENT/COPY-PROTECTED CD] ~ Van Zant(amazon.com)
アメリカのamazon.comでは問題が発覚したディスクに対して、多数のユーザーが批判のレビューを付けています。
SONY BMGのコピー防止CD問題に新たな指摘(ITmedia)
ここではパッチがマシンをクラッシュさせる可能性があることや、XCPの関連ソフトがSONY BMGのWebサイトと通信している可能性について書かれています。
「World of Warcraft」のハッキングにSONY BMG社のrootkitを利用(@police)
この記事ではハッカーによって悪用されていることが書かれています。
ここのCCCD日誌でも書いています(05.11.)。
そんな危険なXCPのパソコンでの使い方ですが、「ユーザーは個人的な利用の目的でCDを3枚までコピーでき、自分のコンピュータにMicrosoftの保護付きフォーマットで音楽ファイルを保存できる」ということです。Apple社のiPodに対応できないのが欠点とされていましたが、こうなると欠点のうちに入りませんね。
過去の関連記事をリンク。
ソニーBMG、2005年初めにも米国内でコピー防止機能付きCDを販売か(cnet japan)
Sony BMG、新技術のコピー防止CDをリリース(ITmedia)
05年夏頃、CCCD日誌で書いています(05.06.04、05.06.17)。この頃は、危険なものだという認識はありませんでした。
日誌からリンクしているブログにも詳細があります。
Sunncomm Technologieが提供している手法です。
この方式のディスクも、やはり危険なディスクです。使用に際し厳重注意を要します。
03年秋、MediaMaxCD-3がアメリカで採用されています。
これはどうやらCD-EXTRAで、規格に沿ったコピーコントロールディスクだ、と考えられていました。
コピー防止機能はかなり弱く、プロテクトというよりはWindowsの特性を利用したギミックでした。
Windowsの自動演奏機能がONになっているとプレーヤーがインストールされます。03年秋当時は、このプレーヤーのせいでパソコンがフリーズすることがあったようです。
ギミックをクリアすれば普通のCD-EXTRAとしてコピー可能ですが、アメリカではこれは違法であると判決が出たようです。
SunnCommのプレスリリースを見ると、その後、バージョンアップを重ねているようです。
以前はCDS-200と違ってインストールするかどうか確認が出るという話でしたが、強制インストールされるという話もあります(memory labより)。
新しいバージョンの場合、CD-3と挙動が違う可能性が考えられると思います。
海外の記事によると、CD-3とMM5が多く流通しているとのことです(MM5がVersion 5ということでしょうか)。
2002.10.15. | MediaMax CD-3 Technology |
2004.07.06. | MediaMax Version 5(MM5) |
04年6月、MediaMaxを使ったディスクが全米チャートのNo.1になったという報道がありました。
コピー防止機能付きCDが全米ヒットチャートでNo.1に(cnet japan)
最初のリリースから半年が経ちましたから上記のフリーズの問題は対策がなされているかもしれませんが、海外のネットニュース記事への読者の書き込みでは、カーオーディオで認識されなかったという報告があります。
こうなると、CD-EXTRA規格に沿ったものかどうかよく分かりません。
たとえ規格に沿ったものであっても、再生に不具合があり補償されないのではCDS-200とほとんどかわるところがありません。もしかしたらオーディオトラックのみCDDA規格に沿った、Key2Audioのような仕様の可能性もあると思います。
2005年秋、EFFが警告を出しています。
SonyBMG Litigation and Rootkit Info(EFF)
以下、MediaMaxの問題に関する部分を和訳してみました。
MediaMaxの問題
MediaMaxソフトウェア(2000万個以上のソニーBMG CDの上に含まれている)には、XCPとは異なるものの同様に厄介な問題がある。パソコンで使用する場合、エンドユーザーライセンス契約で「No」をクリックしてもプログラムをインストールする上に、アンインストールする手段がない。
購入者がCDを聞くときはいつも、ソフトウェアがインターネット接続でユーザに関するデータをSunnCommに送り、聴いている音楽の傾向について企業が追跡することが可能になる。エンドユーザーライセンス契約に「ソフトウェアは個人情報を集めるのに使用されない」と記述され、SunnCommのウェブサイトで「あなたやあなたのコンピューターに関する情報を収集することは決してない」と言われているが、、。
ユーザーがMediaMaxソフトウェアのアンインストーラを入手するためには、繰り返し要求する必要がある。最終的には入手できるが、しかし最初に、より個人を特定される個人情報を提供しなければならない。
さらに悪いことには、セキュリティの研究者は最近、XCPのアンインストーラと同様、SunnCommのアンインストーラはユーザのパソコンに重大なセキュリティの問題を生じると断定した。
こちらは海外のサイト「Freedom to Tinker」の記事を和訳しています。
EULAを拒否しようとも、MediaMaxは迷惑なソフトをインストールし永久に実行し続ける
またかよ!ソニー製「別のDRM」用アンインストーラにもでけえセキュリティホールが開いてやがる(ソニーBMG 音楽CD スパイウェア混入事件:リンク集)
(12.04.リンク切れ修正)
過去の報道について、CCCD日誌でリンクしています。この頃には、まだ危険性への認識はありませんでした。
2005年08月末から東芝EMIが販売開始しています。まだ不明な点が多い仕様です。
セキュアCDについて(東芝EMI)
新たなCDコントロール技術「セキュアCD」を試す(ITmedia +D LifeStyle)
東芝EMIの「セキュアCD」(フェアフリーダムCD技術)を試す −PCでの音質は改善。CD-RコピーでセキュアCDの複製が(AV watch)
セカンドセッションに付属しているソフトはWindows XPに対応しています。iTunesには対応していません。つまりiPodで聴けないということです。
Mac OSXには対応していませんが、iTunesで認識可能なようです。
この付属ソフトには、厳重注意が必要な様子。
何をしているのか不明ですが、セカンドセッションのデータをパソコンが読み込んだ時点で、何かがインストールされるようです。つまり、Windowsのオートラン機能がONになっていたら自動的に何かがインストールされる。使用許諾契約書に同意するかどうかなんて、全く関係ないところなど、MediaMaxと似ています。
その何かがインストールされているとリッピングしても変な音になるのだとか。
一応、アンインストーラーも付属していますが、、。
セカンドセッションには他にもダミーのオーディオトラックも収録されていて、これもコピー防止に働いているという話です。トラック単位でのリッピングは比較的容易ですが、ディスク単位だと困難なことがあるようです。
詳しくはこちらを参照してください。
またしてもコピーコントロール銀色円盤が登場 〜 セキュア銀色円盤 (CDS300)、セキュア銀色円盤 (セキュアCD) Part2(CD-R実験室)
パッケージには「製造上の不良を除き、交換、返品、返金には応じかねます」という、CCCDお決まりの文言が貼られています。
つまり、再生保証はしない、聴けなくても補償はしない、という姿勢は以前のCDS-200を使ったCCCDと変わりません。再生時の誤動作の可能性もあるようです。
FAIR FREEDOM CD/フェアーフリーダムCD
FAQには、免責事項が記載されています。どこがFAIR FREEDOMなのか、という感じですね。
EMIは方式が違うという理由だけで、CCCDの表示をしていません。購入時には注意が必要です。
店頭ではCDDAもCCCDも区別なく陳列されています。購入の際にはCCCDかどうか買う側が確認する必要があります。
2005年現在、以前よりも国内盤のCCCDは減ってきています。
日本では、基本的にCCCDの包装にはステッカーが貼られています。ステッカーや表示はいろんな形や色、大きさがあり、注意が必要です。
度々、これがCDDAのマーク。 CD-extraだと、これに小さな+マークが付きます。 |
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それからこれが一般的なCCCDのマーク。 |
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CCCDには「Compact Disc Digital Audio」のマークは使えません。しかしチャゲ&飛鳥のCCCDにこのマークが入っていて、問題になったことがあります。他にはビートクルセイダーズのCCCDに入っていました。マークではないですが、GLAYのシングルでCompact Disc Digital Audioとジャケットに表記されているものがあります。これはデザインの決定がCCCDでの発売に先行したためのようですが。m-floのIntergalactic CollentionはCCCDとCDDAを一つのパッケージに入れて売っている製品で、CCCDの表示がなくCDDAマークのみ表示されているらしいのですが、確認していません。
CDDAでもマークが表示されていないものや、あっても隠れているため外から見えないケースがあります。
他にも僕が確認できていない製品で、CCCDなのにCDDAのマークが入っているケースがあるようです。今のところ日本ではCCCDの表示や記載がないものはCDDAだと考えて良いようですが、注意が必要です。
徐々にコピーコントロールディスクの表示が分かりにくかったり、紛らわしかったりするケースが増えているようです。TSUTAYAなど一部の販売店では、コピーコントロールの表示が見えないようにパッケージされていたりします。
いよいよ、音楽は買いにくくなりつつあります。
怪しいと思ったら店員に確認をとるなどの自衛が必要です。
中古を扱う店では、包装に貼ってあったステッカーがありませんから、注意が必要です。
CDDAのマークがあるかどうか、コピーコントロールについての記載があるかどうかが目安になります。しかし、包装や帯が外れた状態だとCCCDの記載がなくなるディスクがある、という情報がネット上に見られたことがあります。
CCCDなのにCDDAのマークが入っているディスクは、まだ少数だと思われますが、できれば目的の作品がCCCDかどうかを事前に確認しておく方がいいと思います。
輸入盤の場合、CDDAであってもCDDAの表示がないことが少なくありません。
つまり、CDの仕様について日本ほどきちんと表示されていないのです。何も表示がなくてもCDDAだったりすることがあります。
輸入盤の購入の際にはコピーコントロールディスクかどうか見分けるのに注意が必要です。中古の輸入盤となると、小さな注意書きをよく読まないと判断できないことがあります。また、日本にはないコピーコントロールが使われていることもあります。
海外のコピーコントロールディスクのマーク。 | ![]() | あるいはこんなのとか。 | ![]() |
これらのマークは、国内盤でも使用されていることがあります。
輸入盤に付いている筈のこれらのマークですが、非常に見にくいことがありますから注意が必要です。
例えばこんな感じ(EFFのサイトにリンク)。さらに薄い色を使っている場合もあるようです。
アメリカでは、数年前に何の表示もないまま規格外のCCCDが販売されたことがありました。
01年9月、表示がないことについて訴訟になりました。
その後、コピーコントロールディスクは販売されていませんでしたが、03年秋から一部でMediaMaxという方式のコピーコントロールディスクが採用されています。04年6月、この方式を使ったディスクが全米No.1になっています。
05年から、ソニーBMGがXCPという方式のコピーコントロールディスクを販売していました。ところが05年秋、この方式の問題が明らかになり、回収、交換される騒ぎになっています。その後、XCPと同等の問題がMediaMaxにもあることが判明しました。
間違って購入することのないように注意が必要です。
ソニーBMGは、アメリカの州、イタリアなど外国で提訴、刑事告訴され、民事の集団訴訟も多く抱えることになりました。
これらの新世代CCCDは日本にも輸出されていました。
SONY BMGの「XCP」採用CD、国内でも約5万枚が販売〜SMJIが回収措置を発表
Amazon.co.jpがSONY BMGの「XCP」採用CD購入者に全額返金
タワーレコードもSONY BMGの「XCP」採用CDの購入者に返金・交換(internet watch)
国内盤でCDS-200方式のCCCDが多く販売されていた頃、問題を意識しているユーザーは、洋楽などの国内盤がCCCDだった場合はアメリカ盤や英国盤など、コピーコントロールされていない輸入盤を買うという対策をとってきました。輸入盤(特にアメリカ盤)はCDDAでのリリースが多かったからです(最近は逆に危険なコピーコントロールディスクが販売され、安心して輸入盤を買えなくなっています)。
しかし輸入権が法制化され、輸入盤が規制される可能性が生まれています。。
著作権の保護を名目に、業界は政府を動かして問題のある法制化を進めています。詳しくは輸入権についてを読んで下さい。
補足。
輸入盤の店頭小売りでは、コピーコントロールディスクしか置いていないことが多々あります。輸入盤の卸をしているレコード会社の意向が反映されているためと言われています。こうした場合、使えるならamazonなどのネット販売を利用するほうが容易に入手出来ることがしばしばあります。
このことについては、いかんともしがたいや、音楽配信メモに興味深い記事があります。ご一読を。
しかし最近、日本向けに輸出されるディスクのみコピーコントロールされ、本国のディスクは普通のCDというケースが報告されています。どの作品がそうなのか、ユーザーには全く知らされていません。
自由意志で安全な製品を購入するということすら、音楽業界は規制しようとしています。
EUでは、日本と同様にCCCDが販売されています。日本より量は少ないものの多くの仕様が乱立し、混沌としているそうです。
ドイツで数年前にCCCDが販売されましたが、消費者の苦情が多く販売中止になりました。その後、再び導入され、しかもコピーコントロールディスクを聴けるようにする為に私的にコピーすることも違法とされたようで、音楽ファンのCD離れが進んでいるようです。
英国は比較的コピーコントロールディスクが少なく、ネット配信が進んでいるようです。
フランスでは、聴けないことで訴訟になりEMIが敗訴しました。
ベルギーではコピーコントロールディスク廃止を要求する訴訟が起きています。
最近、海外でDVDと音楽CDを裏表に貼り合わせたディスクが販売されています。
それがDual Discです。
これは音楽CDとしては規格外ディスクであり、CDDAマークは使用できません。
やはりコンポによっては聴けなかったりするようです。耐久性についても問題があります。
詳しくはリンク先を参照ください。
DualDiscご使用に関するお知らせ(ソニー株式会社/ソニーマーケティング株式会社)
「DualDisc」に関するお知らせ(パイオニア株式会社)
かつて、CDDA、Enhanced CD、CD-EXTRAといった規格に準じた製品が作られたのは再生を保証するためでした。
現在、再生保証をなおざりにした製品が当然のように販売されるようになりました。
まったく、おかしな話です。
CCCD導入の波は、そもそもは海外から始まったもののようです。
どこでどういう経緯をたどったのか、日本に導入される以前にドイツでCDSの初期バージョンが導入されました。アメリカでも消費者が知らないままにCDSが導入されたようです。「著作権の保護」を名目にCCCDを導入するというのは世界的な動きのようです。「Respect Our Music」なるキャンペーンを目にした方がおられるかもしれませんが、これはアメリカで行われたキャンペーンを日本でも行ったものです。EMIは「世界的に全てのCDをコピーコントロールディスクにする」といっています。
音楽業界が、なぜこのような奇異な行動を取っているのか、消費者を敵に回しても意に介さないのかというと、世界的な音楽業界の統廃合が根底にあるようです。つまりメジャーの音楽企業が巨大化することで「音楽文化を担う媒体」としての機能よりも「利益優先の企業」としての面が強く音楽業界に反映されるようになったのです。
アメリカの音楽ラジオ放送やコンサート会場の運用は、クリアチャンネルという企業に握られています。多様だったアメリカの音楽文化は右傾化一色に染められつつあります。イーグルスのドン・ヘンリーは、アメリカの音楽産業が巨大資本や政治と結びつき、ミュージシャンが抑圧されることに警鐘を鳴らしています。
詳しくは、こちらからのリンクを参照して下さい。
日本の状況は、こうした世界の状況を反映したものではないかと思います。
アジアからの輸入盤もあります。
国内ミュージシャンの「逆輸入盤」を時に見かけることがあります。
僕が見かけたBoAのアルバムはコピーコントロールディスクで、直径3〜4mmの黒丸のマークが入っていました。
こんな感じ。
↓
かなり意識して注意していないと見落とす可能性があります。
03.11.10.の時点でCCCDを出していた企業は以下の通りです。
インディーズ系であっても、コピーコントロールを推進する企業から出資を受けているところはコピーコントロールディスクになることがあったようです。
メーカー名をクリックすると、コピーコントロールについての各社のページを新しいウィンドウで開きます。
エイベックス会長兼社長だった依田巽氏は在任時、コピーコントロールディスクの不具合を知りながら導入を推進していました(CCCD採用にあたってのプレスリリース)。
だからエイベックスは基本的に、全てのアーティストがCCCDでリリースされていました。
04年08月、依田氏が辞任し(依田氏はこのときレコード協会会長も辞任しています)、09月、プレスリリースが発表されました。
エイベックス、CCCDの弾力運用を決定——SA-CD、DVD-Audioを推進(ITmedia)
エイベックス、CCCD弾力運用へ(CNET japan)
今後は「コピーコントロール強制」はなくなるようです。強制ではないということで、コピーコントロールディスクでリリースされる作品もあります。
また、レンタル店に卸されるディスクはCCCDが使われており、賛否両論があるようです。
レンタル料には著作権使用料が含まれており、これはコピーして使用することを前提に価格設定されているとのことです。
だとしたら、レンタルCDのコピーを防止することは問題があることになるかもしれません。
プレスリリースの文面にはCCCDの抱える問題点(再生保証、コンポへの負担)については全く触れられていない上、「これまで当社が発売してきたCCCDではパソコンへの取り込みができなかったため、HDDミュージックプレーヤーでの再生には対応できませんでした。」など、事実とは異なる表現もあります。
コピーコントロールによって「一定の成果をあげることができた」というコメントは、空虚に感じられます。
04年9月まで、日本でレーベルゲートCDを販売していました。当時、EMI等と並んで、アーティストの意向に関係なく強制的にコピーコントロールにする企業でした。
09月30日、SMEからプレスリリースがありました。
ネットワーク認証型コピーコントロールCD “レーベルゲートCD”仕様の終了について(SME)
エイベックス同様、プレスリリース上にはCCCDの問題について触れていません。
SMEがレーベルゲートを推進していた背景には、ソニーが持っている特許や規格の問題があるという話があります。
ソニーはATRAC規格を採用したネット音楽配信を他の家電メーカーと推進しようとしていました。また、CD-ExtraやCCCDに使われている技術の特許をソニーが持っているという話があります。世界中で販売されるコピーコントロールディスクの特許料は莫大でしょうね。実際どうなのか、知る由もないですが、、。
コピーコントロールディスクの特許使用料についてのpdfファイルを、フィリップスのサイトからダウンロードできます。
非常に興味深い話です。
05年07月末、SMEはレーベルゲートCD2作品を全廃し、通常CD-DA作品で再リリースすることを決定しました。
ソニーミュージック、レーベルゲートCD2をCD-DAへ置き換えて再出荷(ITmedia)
SMEがレーベルゲートCD2作品を全廃。通常CD-DA作品で再リリースへ(音楽配信メモ)
商品の返品入れ替えについて、小売店にFAXが送られました。返品の送料は小売店負担です。
05年からアメリカで新世代のコピーコントロールディスクを販売していました。
ソニーBMG、2005年初めにも米国内でコピー防止機能付きCDを販売か(cnet japan)
ところがこれらのMediaMax、XCPという方式のCCCDは、ウィルス同様の被害をパソコンに与えるということが判明し、回収されることになりました。これらのディスクは、当然日本でも輸入盤として流通していました。
海外では大問題になりましたが、日本ではほとんど報道されませんでした。
Sony BMG CD Technologies Settlement(SONY BMG)
XCP作品リスト(amazon検索)
06年5月、多くの集団訴訟が対象になる和解案について、最終承認が米連邦裁判所でなされました。
SONY BMGのrootkit CD訴訟、和解を最終承認(ITmedia)
しかし、まだ未解決の訴訟も残っています。
以前は(作品リスト)にはなわのCCCDがひっかかってたんですが、最近は引っ掛かりません。
どうしたのかと思ったら、こっちだとひっかかる。2作品以外はリリースしていないようです。
本社の英国EMIは、世界的に全てのディスクをコピーコントロールディスクにすると言っています。
以前はコピーコントロールに反対するアーティストでも強制的にCCCDでリリースされていました。クラシックや民謡など、コピー対策の必要性にも疑問がある作品にコピーコントロールを導入することでも有名でした。
03年秋、ビートルズのCDをCCCDで発売しファンの怒りを買いました。
04年06月のrockin'on誌のインタビューでは、EMIの担当者は「いわゆるカタログ音源もコピーコントロールはしないで、そのままの形で出してます」と言っていました。03年のジギースターダスト、CCCDで買えませんでした。04年夏、クラフトワークの再発にあたってCCCDを採用する、という話だったのですがいつまでも再発されないままで、どうなっちゃったんだろうと思ってたら、05年夏、CDDAで再発されました。ようやく。でも新作はCCCD。
同じインタビューで「アーティストの賛同が得られない時」も採用しないと言っています。GLAYや鬼束ちひろはどうだったんでしょうかね、鬼束はユニバーサルに移籍しちゃいましたが。矢井田瞳のベスト盤はどうしてCCCDだったんでしょうか。
04年秋以降、日本のミュージシャンでCCCDでリリースされるケースはめっきり減ってきています。
CCCDでリリースされる作品の多くは海外ミュージシャンの国内盤になりました。
05年08月末、EMIはCDS-300方式を使った新世代CCCDを「セキュアCD」と名付けて販売開始しました。
セキュアCDについて(東芝EMI)
今までとは方式が違うのでCCCDの表示をしない方針ということです。
しかし「CCCDのマークは方式を問わずコピーコントロールディスク全般に使用する」と、レコード協会は説明していたはずなのですが。
EMIの決定はこの説明に反しており、ユーザーにとって分かりにくく不当表示では、と批判されています。
再生の不具合はないと説明されているようですが、規格外ディスクであり、再生の不具合があっても補償しないというEMIの姿勢は今までのCCCDと変わりありません。
FAIR FREEDOM CD/フェアーフリーダムCDからリンクされているFAQには、免責事項が記載されています。
パソコンでセカンドセッションのデータを読み込む際にユーザーの好むと好まざるとに関わらず何かをインストールするようですが、何をしているのかよく分かっていません。リッピングの妨害をしているようですが、、。
使用に際して、注意が必要です。
現状では、日本のミュージシャンにはほとんど使われていないようです。
06年初夏、東芝EMIがCCCDから撤退するという噂があります。本当なのかどうか、まだ分かりませんが、、。
ビクタープレスのCDDAのマークを隠したり、CCCDの表示も分かりにくいなど、やり方が陰湿な印象があります。
スクービードゥの公式掲示板で、社員が一般のファンを装ってCCCD擁護の書き込みをしていたことが発覚しています。04年2月にもキセルの公式掲示板でファンを装った書き込みが発覚しました。情けない。詳しくはこちら。
前々レコード協会会長を勤めた富塚氏の発言から、音楽業界の良識を伺い知ることが出来ると思います。
氏は、02年12月、NHKスペシャルで「CDのコピーに使われるパソコンなんか売れなくていい」と言っています。
04年秋以降はリリースしていません。
コピーコントロールかどうか告知しなかったため、予約が出来ないと不評でした。
04年春以降はリリースしていません。
03年末、コピーしたらエラーが入る妙なCCCDを売っているというので注目されました。
ちなみに、04年09月、キャニオン社長がレコード協会会長に就任しています。
CCCDでの発売を控える企業が増える中、05年春、ようやくCCCDのリリースを停止したようです。
フランス系の企業らしいです。ここは比較的まともです。
というのは、アーティストの意向に添ってCCCDにするかどうかが決められるそうです。だからほとんどCCCDはありません。
02年の2作品だけで、以降CCCDのリリースはありません。
EMIに所属する宇多田ヒカルの移籍先になるのではと噂されていましたが、そのとおりになりましたね。
海外のユニバーサル本社は、CDの価格を下げることで売り上げ低下に対応しようとしています。しかし日本のユニバーサルは切りのいい価格にするために数十円値上げしました。ちょっと興ざめですね、、。
山下達郎が会社役員を務めていることもあってか、CCCDに積極的ではありませんでした。
03年02月のボニーピンク以降のリリースはないようです。
2005年01月28日、コピーコントロールCDの生産終了について発表しています。
以下のメーカーは、コピーコントロールについての説明は見当たりません。
ZOMBA RECORDS JAPAN(Key2Audio)と統合したため、CCCD企業のリストに加わりました。
BMGファンハウス自体はCCCDをリリースしていません。
03年1月に一回だけリリースしています。それ以降は事実上CCCDから撤退しています。
04年夏、その一回だけリリースしたCCCDがCDDAで再発になっています。
下記以外にもあるかもしれません。メジャーからの出資を受けているレーベルでCCCDが散見されます。
03年11月の時点で、以下のメーカーはコピーコントロールを導入していません。現在も同様です。
海外のレーベルですが、Warp Recordsがアンチコピーコントロールとも言える姿勢を鮮明にしました。
コピーガードをかけない「mp3ファイル」をネット配信で販売するというのです。ディスク販売についても、ユーザーが求める「美しいもの」を提供していくとのことです。コピーコントロールディスクを販売する企業から見れば暴挙とも考えられるような運営ですが、FAQで読める彼等の姿勢はよほどユーザーのニーズに沿ったものだと分かります。こちらは音楽配信メモの解説。
そしてドイツのレーベル、!K7 Records。
美しいロゴですね。!K7 Recordsは、このロゴを付けてCDを販売していくそうです。これはOTO-NETA氏による声明訳文。
コピーやリミックス自由のレコード会社がイギリスに登場。これはイギリスのレーベル。
04年4月、The BOOM、HEATWAVEらが所属する日本の音楽プロダクション、FIVE-Dが、現状のコピーコントロールディスクを使用しない、と宣言しました(リンク先はThe BOOMのサイト)。また、節度ある範囲でのコピー使用の容認もしています。
以下、引用。
プロデューサー佐藤剛が率いるFIVE-Dでは、音楽へのありったけの熱情を込めて創りあげた自分たちの作品を、いちばんいい音の状態で聴いてほしいので、次のアルバムも、今後も、現状のシステムのCCCD(コピー・コントロールド・CD)でリリースするつもりはありません。
もし、僕らがプレゼントするこの「光」や「24時間の旅」を気に入って頂けたのなら、あなたが僕らと音楽のヨロコビをこれからも分かち合っていけるのなら、6月30日発売のニューアルバム『百景』を、ぜひ正式に購入してくださるようお願いします。もちろん、プレゼントしたCDは、自由に家族や友人へコピーして差し上げてくださってかまいません。
音楽に愛を込めて。
ミュージックマシーンにアップされたインタビューです。ご一読を。
04年末、かな?、完全なオープンライセンスで音源を販売する湯島レコードが発足しました。
05年02月、CDをリリースしています。
プレスリリース用の記事がブログの記事になっています。ご一読を。
CCCDメーカーの姿勢は法的な問題にならないのでしょうか。
CCCDをリリースしている企業が、製造者の責任をはたしていないのではという指摘ですが、ユーザーへの補償を謳った「PL法」では公正取引委員会が取り上げない限り問題にはならないようです。CCCDによるコンポへの負担が故障の原因と断定できるかどうかについては、現在、国民生活センターで調査中です。検証のためには、問題を生じた場合のデータも多く必要になるだろうと考えられ、回答が出るにはまだ時間が必要になりそうです。
2ちゃんねるでの議論によると、ユーザーが訴訟などを起こすとしたら、返品に応じない販売店に対してになるようです。メーカーに対してはコンポの故障がない限り訴える権利がありません。また、故障の原因がCCCDにあると断定できない限り勝てそうにない、とのことです。
法の目をかいくぐって売られているのがCCCDということです。
現在、CCCDのメーカーは不具合があっても補償しません。オーディオメーカーに補償を求めるのも筋違いです(規格外ディスクですから)。おかしな話です。しかしCCCDメーカーは耳を貸しません。
フランスでは、ユーザーの女性がEMIに勝訴しました。聴けない場合は補償しろという判決です。
日本で何らかの形で訴訟になるようなことがあるなら、このフランスでの判決は大きな後ろ楯になりそうです。
2004年1月、ベルギーでも訴訟が起きています。リンク先はBBCの記事。コピーコントロールディスクの販売中止と聴けないユーザーへの賠償を求めています。
日本はといえば、国が知的財産立国の名の下、国を挙げて業界を支援していくつもりのようです。
しかし04年春、輸入権に関連した問題が、国会での審議において誰の目にも明白になりました。
業界トップと行政が、国会を私物化し議員を騙すことで、裸の王様になりながら問題のある権利を法制化する見苦しい過程が、国会の議事録に残されたのです。
この問題が明らかになる過程で、音楽業界には今までになかったネットワークが生まれました。
音楽著作権に絡む問題への認識が共有されていく中で、コピーコントロールの問題にも何か風穴が空くのではないかと期待しています。
ここまでが、04年08月までの内容です。
04年07月末、国会にひとつの質問状が提出されていました。
いわゆる「コピーコントロールCD」に関する質問主意書
これに対して、09月、政府答弁が公開されました。
衆議院議員川内博史君外一名提出いわゆる「コピーコントロールCD」に関する質問に対する答弁書
ここには消費者契約法の規定によって「CCCDが再生できない場合でも返品・交換には一切応じない」と言う趣旨の免責表示が無効となる可能性について記載されています。
この答弁が出された後、エイベックスがプレスリリースを発表しました。
SMEもレーベルゲートCDの販売を終了しました。
しかし、EMIは今後もコピーコントロールを継続していく方針のようです。そういえば、欧州では敗訴してもコピーコントロールディスクの販売を続けていますね、、。
SMEも海外ではCCCDを推進しています。しかしXCP、MediaMaxを採用した結果、パソコンにセキュリティーホールを開けるということが判明し大問題になり、ユーザーへの補償を余儀なくされました。
現状で、ユーザーに出来ることは以下のとおり。
このサイトが出来た時から上げられている項目です。
しかし残念ながら、音楽ファンの期待に沿う動きは、今迄のところみられていません。
NCAC:「消費者トラブルメール箱」集計結果(平成14年4月〜9月分)(国民生活センター)
国会に提出された質問に対して答弁が出ています。
衆議院議員川内博史君外一名提出いわゆる「コピーコントロールCD」に関する質問に対する答弁書
以下に引用します。
独立行政法人国民生活センター(以下「センター」という。)から聴取したところ、センターでは、各地の消費生活センターを結ぶ全国消費生活情報ネットワーク・システムを運営し、センター、全国の消費生活センター等に寄せられた消費生活に関する相談に係る情報を収集しているところであるが、このうち、平成十四年三月から本年六月までの間におけるCCCDに関する相談の件数は二十九件であり、これらの相談の具体的な内容としては、再生ができない、音質が悪い、再生したところ再生装置が故障したといったものなどが挙げられるとのことである。
政府としては、CCCDに関するこれらの相談について、その件数が二十九件にとどまっていることなどから、直ちに何らかの対応が必要であるとは考えていないが、引き続きCCCDに関する消費者の意見等に十分な関心を払ってまいりたいと考えている。
不具合の報告はまだまだ少ないということです。
たった29件というのは、国民生活センターに報告されていない事例が非常に多いからだと考えられます。
商品に問題があった場合に日本人は黙ることが多いと言われますが、そうしたことが影響しているのかもしれません。
CCCDを推進していた依田前レコード協会会長自身が具体的な数字を上げて「不具合がある」と言っていますし、100件以上の不具合が報告されているサイトもあるのですから。
直接の補償はありませんが、不具合の情報の蓄積が将来的にCCCDを廃止させることに繋がるかもしれません。
CCCDのメーカーによる補償に繋がるかも知れない?、、これは、わからないですが。
国民生活センターへのリンクは、こちらです。http://www.kokusen.go.jp/
相談窓口の説明はこちら。メールだけでは相談できませんので、説明をよくお読みください。
使わなければ、被害に遭うことはありません。
そして、もっとも効果的な抗議行動のひとつでもあるのです。
怒っているユーザーがいることを伝える必要があります。売り上げが下がらないとCCCDを売っている企業は気付きません。
「買わない人はファンではない」という奇天烈で排他的な意見もありますが、ファンなら不良品でも買うのが当然なんて、おかしな話です。
このサイトでは不買を推進しています。親しい人には問題を伝えて、被害の拡大を止めて下さい。
2004年以前、CCCDが多く販売されていた頃、アーティストの公式BBSで下手にコピーコントロールについて書き込むと削除されたり閉鎖に至ったりしていました。
しかしそんな状況の中で、TRICERATOPSやGLAYのように、ネット上での関係者への情報提供がコピーコントロール回避に繋がるケースがありました。またアジアンカンフージェネレーションのように、回避に至らなくてもアーティストにユーザーの考えを伝えることが出来たケースがありました。
2005年現在、CDS-200を使ったCCCDを販売している企業は激減しました。日本のミュージシャンでCCCDを採用するミュージシャンはほとんどいなくなりました。
コピーコントロールの問題は、音楽関係者に広く周知されたのではないかと想像しています。
ユーザーによる情報提供の必要性は、以前ほど高くないと思います。
これは、輸入権問題で揺れた全ての音楽ファンと音楽関係者が感じていることだと思います。
04年の春、輸入盤規制法案に対する反対運動は、音楽に関心がある人の間であたかも荒野を渡る野火のように燃え広がりました。その過程で、音楽関係者と音楽ファンの間に未だかつてあり得なかったネットワークが、図らずも構築されました。
国会で「還流防止措置」について質疑がなされる中で、コピーコントロールディスクの問題も取上げられています。
現在、CDS-200よりも新しい仕様のコピーコントロールディスクが販売されていますが、パソコンのOSを書き換えを行うなどするため問題になっています。
僕達は情報を共有し、今後も音楽を殺そうとしている人たちを監視していく必要があります。
CCCD自体とは話がずれますが、輸入権という言葉があります。レコード輸入禁止権とも言われるそうです。こっちのほうがストレートで分かりやすいですね。内閣の知的財産戦略本部のコンテンツ専門調査会構成員には前レコード協会会長の依田巽氏の名前があります(依田氏は04年08月、レコード協会会長を辞任しました)。
公正取引委員会や日本経団連が反対していましたが、文化庁が「2004年通常国会での著作権法改正を目指す」と表明しました。
音楽CDなどの海外専用版の逆輸入を禁止する制度を05年にも導入する方針と。
結局、経団連は押し切られ、公正取引委員会の意見は無視されました。
この権利が法制化されると、国内盤の版権を持っている販売業者が、それ以外の業者が輸入盤を販売することを止めさせることができるようになります。つまり、欧米のレコード会社から販売独占ライセンスを買った日本のレコード会社(国内盤の権利を持つ会社がそうなるのが自然だと思います)が、それ以外のルートから入ってくる安い輸入盤を国境で差止めることが出来るようになる、ということ。
わかりにくいなぁ。
要するに、国内盤を売ってる業者が輸入盤の販売も独占出来るということ。
その結果どうなるかというと、輸入盤を購入することが出来なくなるかもしれないということです。
例えば国内盤がCCCDの場合、海外盤がCDDAだったら輸入禁止されるかもしれないし、販売されるとしても価格統制が行われて高くなるかもしれません。
並行輸入業者が輸入盤を売ろうとしても輸入禁止になっていたら取り扱えません。
それどころか、輸入業者が国内盤が出ていない作品の輸入盤を売ろうとしても、その作品が「輸入禁止になるかどうか分からない」状況だったら、取り扱うことが出来ません。だって、もし取り扱っていて輸入禁止になったら、その作品を所持してるだけで「有罪になる」のですから、そんな危険な商売は出来ません。起訴されたら賠償金を支払うことになるでしょうから。
つまり、国内盤が出ていないミュージシャンの作品の輸入も止まる可能性がある。
さらに音楽CD以外のコンテンツにも適用されていきかねないと言われています。
コンテンツの独占販売の強化ということです。
日本では、再販制度により音楽、出版物の価格統制が行われています。音楽の価格統制を行っている国は日本だけで、これが国内盤と輸入盤の価格差に現れています。輸入権が法制化されれば、1500円で現在売られている輸入盤を、国内メーカーが3000円で独占販売する権利が生じることになります。
要するに、輸入権は「国内の音楽産業が保護される権利」なわけです。関税をかけたりして保護してもらう代りに「権利」として認めてもらおうということです。
なんで日本の音楽産業だけが「権利で守られなければならない」のでしょうか。
現在、音楽業界が行政に働きかけている、ということですが、そんなことが権利だなんておかしな話です。
権利として法制化されれば、それは容易に覆されないものになります。
詳しくはこちらを参照して下さい。
本間忠良氏によるヘビーな解説、ネット音楽とアナルコ・キャピタリズムの第6章「反革命の波」
輸入盤を「非合法化」する著作権法改正。経済産業研究所上席研究員である池田信夫氏のコラム。
以下は反対している団体の意見をいくつか。
日本弁護士連合会、テレビゲームソフトウェア流通協会、全国消費者団体連絡会
個人サイトで反対を表明するところも出てきています。
そしてとうとう、CCCDもろとも諸々の問題が国会での質問に取上げられました。
第159回国会 33 今国会提出の著作権法の一部を改正する法律案に於ける「商業用レコード」の定義と法律の適用範囲に関する質問主意書
さらに読売新聞、04.03.23.の夕刊に載った記事。
「逆輸入CD」禁止で洋楽海外盤も消える? 欧米の会社にも適用可能
04年3月31日、The Trembling of a Leafに、政府の答弁が掲載されました。
、、、、、、最低ですね。
04年4月21日、法案は参議院を反対0で通過しました。
6月3日、法案は衆議院を通過しました。反対する議員は退席しました。
国会で起きたことは、一見の価値があります。
衆議院インターネット審議中継のビデオライブラリで、何が起きたか見ることが出来ます。5月28日、6月1日、2日の文部科学委員会を見て下さい。
そこにいた議員の誰もが問題があると認識していたにも拘らず、この改正案は通過したのです。
一月半の間に、すごくたくさんのことがありました。
5月4日、新宿ロフトプラスワンでシンポジウムが開催されました。
あらゆる輸入音楽CDに規制を?——危険な著作権法改正が進行中(ITmedia)
そしてミュージシャンやレーベルオーナーなど音楽関係者による反対声明が行われました。
私たち音楽関係者は、著作権法改定による輸入CD規制に反対します
音楽ファンの署名は、6万人近く集まりました。
私たちは海外盤CD輸入制限に反対しつづける(現在は更新を停止しています)
有志の活動は、付帯決議という形で反映されました。
付帯決議には、法的拘束力はありません。
このサイトの輸入権関連リンク集はこちら。ぜひリンク先を読んで下さい。
現在、法案成立に際して追加された付帯決議の内容が、実際に守られるかどうかが注目されています。もし守られなかった場合、海外アーティストの輸入盤が規制されるということになります。
レコード協会会長だった依田巽氏は04年8月、責任から逃れるかのように辞任しました。
04年08月、Free Music Watchdog : 音楽メディア関係者有志による情報中継所が活動を開始しています。
04年9月、リスナーサイドのWatchdogサイトとして、Music Watchdogs 音楽の見張り番も活動を開始しています(オープン宣言)。
04年10月末、政府は我田引水の矛盾に満ちた論理で4年に決めてしまいました。
輸入CDは買えなくなるのか 逆輸入CD、輸入禁止期間は4年に決定(ITmedia)
そして12月07日、平成17年から施行される輸入盤の規制について、運用基準が発表されました。
音楽レコードの還流防止措置について(文化庁)
「還流防止措置に係る国外頒布目的商業用レコードの表示に関する運用基準」の制定・発行について(日本レコード協会)
問題は、この運用基準には法的な拘束力はない、ということです。
05年1月1日から運用が開始されています。
音楽レコードの還流防止措置(RIAJ)
改訂に際して情報の追加と訂正を行ってきています。情報が積み重ねられてきた結果、最新のファイルは最初のファイルの4倍以上の大きさになっています。
過去のファイルより、最新のファイルの方がより正確で現在の状況を反映していると思います。